キャデラックのバルテリ・ボッタスにとって、2026年シーズン開幕のメルボルンは、肩の荷が下りる週末になった。2024年アブダビGPで科されていた5グリッド降格が、FIAの規則解釈と条文整理によって、事実上「未消化の宿題」ではなくなったからだ。
発端は2024年アブダビでの接触だった。ボッタスは当時、レッドブルのセルジオ・ペレスに接触したとして5グリッド降格を受けた。しかもそのペレスは、いまやキャデラックでのチームメイトだ。復帰初戦の週末に、過去の裁定を持ち越して裁かれるのかどうか。そこに宙ぶらりんの不安が残っていた。
だが結論はシンプルだった。ボッタスの“次戦で消化”扱いになっていたグリッド降格は、ルールの文言整理で解釈が明確化され、適用対象から外れた。つまり、予選で得たグリッド位置から降格せずに済むことになった。
「どうやら新しい規則のおかげで消えたみたいだ。だからグリッド降格はない」
今回の混乱の根は、2026年スポーティングレギュレーションの条文にあった。記事では、B1.9.5hの定義が「ドライバーが次の12か月に参加する次のスプリントまたはレースで科されるグリッド降格」を示す趣旨になっていることが、不確実性の背景だと説明している。 そして別条文B2.5.4bの“明確化”が遡及的に効き、未消化扱いだったボッタスの降格を実質的に帳消しにした、という整理だった。
FIAの説明として記事に載った規定文も、この整理を裏づける内容だった。直近12か月に科された未消化のグリッドペナルティ合計が一定以下のドライバーは、「予選結果の順位+未消化ペナルティ合計」で暫定グリッドを割り当てる、という考え方だ。ここで言う“12か月”の枠が、今回の結末を決めた。
もっとも、競争力の話に限れば、これは象徴的なニュースでもある。キャデラックはF1の11番目の参戦チームとして戦い始めるが、初戦からQ2進出を争う位置づけではない、と記事は見立てている。だが、チームの出発点が「罰を抱えた状態」ではなく「自分たちの現在地」から始まる意味は軽くない。
「大変だった。問題解決の連続だった。でももう大きな前進をしている。開幕戦に向けて、チーム全員がここに来て準備を整えた。これはもう本当にすごいことだ。だからこの旅が楽しみだ」
