F1の2026年シーズンがメルボルンで幕を開ける。開幕戦オーストラリアGPはアルバート・パーク開催30周年でもあり、節目の舞台で「新時代」がいきなり実戦に叩き込まれる。マシンはより軽く、より細くなり、電動パワーへの依存が増す。グリッドは22台に拡大する。全員が未知の領域で、最初に“答え合わせ”が来るのは決勝ではなく予選だ。ハースの小松礼雄代表は、そこを最大の衝撃点として見ている。
ハースはバーレーンのプレシーズンテスト6日間でVF-26を走らせ、合計794周を重ねた。だが、小松は「積み上げた量」より「現場での変化速度」が勝負だと言い切る。テストは同一サーキットで、同じ条件の延長線上で学べる。一方メルボルンは、路面の変化が大きい市街地コースで、壁が近い。しかも週末の最初の走行、FP1から即座に判断を迫られる。
「誰もが、このまったく新しいレギュレーション時代の最初のレースにワクワクしている。中団はとても競争が激しくなるはずだ。」
「正確に自分たちがどこにいるかは、誰にも分からないと思う。でも僕にとっては、プレシーズンの準備はとても良かった。信頼性は良かったし、クルマについて学び続け、レギュレーションを理解し、エネルギーをどうマネジメントするかも理解してきた。」
「ただ、1つのサーキットで6日間テストを完走するのと、メルボルンに行ってFP1からいきなり走り出すのは、まったく別のゲームだ。」
「バーレーンでは半日かけてやっていたことを、FP1では実質2回の走行でやらないといけない。それが今年の大きな挑戦だ。バルセロナからバーレーンに変わるだけでも、サーキットごとの要求の違いが、これまで以上に予選への準備に大きく影響するのが分かる。」
焦点は「エネルギー」と「交通」だ。2026年は回生と放出の管理が、単なる燃費走行ではなくラップタイムそのものを左右する。アルバート・パークは高速コーナー、強いブレーキング、変化する路面が混ざり、回生の条件が安定しにくい。小松は、バーレーンよりも難しくなると見ている。
「メルボルンは、今年重要になるエネルギー回生という点で、バーレーンよりずっと難しくなる。みんな巨大な挑戦になると予想していると思う。でも僕たちは、可能な限り準備している。」
さらに予選Q1は、22台が一斉に“作業”を始める時間帯だ。アウトラップの渋滞、アタックの邪魔、タイヤとエネルギーの最適化、その全部を短い時間で成立させなければならない。いわゆる「一発の速さ」だけでは足りない。小松が怖がっているのは、速度の優劣より、処理能力の差が結果を左右する構図だ。
「予選Q1は、22台いる中で巨大な挑戦になる。アウトラップのトラフィック、そして全体のトラフィックをどうマネジメントするかが難しい。」
「プレシーズンテストでやってきたことと、僕たちが持っているクルマのパフォーマンスを踏まえれば、基本を押さえてうまく実行できれば、僕たちは望む位置で戦えるはずだ。少なくとも中団で、できれば中団の前のほうだ。」
