スペインGPでレッドブルは、マクラーレン勢に対抗するため、マックス・フェルスタッペンに3ストップ戦略を試みた。しかし、終盤に発生したセーフティカーにより、そのプランは崩れてしまった。

レッドブルが導き出したのは3ストップ戦略だったが、ターン10でキミ・アントネッリのメルセデスがグラベルに突っ込みリタイア。これによりセーフティカーが導入され、フェルスタッペンは4回目のピットストップを行った。しかし残されていたのはハードタイヤのみで、周囲はすべてソフトタイヤという厳しい状況となった。

リスタート直後のターン1でルクレールにかわされ、その直後にはラッセルにもイン側から並ばれ接触。押し出される形でフェルスタッペンは4位に後退し、レッドブルの判断でラッセルにポジションを譲らせた後、接触行為に対する10秒加算ペナルティで最終順位は10位に落ちた。

ハーバートはRoobetAlternativesに対して次のように語った。

「レッドブルは“新品のハードしか選択肢がなかった”と言っていたし、ルクレールが速いタイヤを履いていることも分かっていたから、当然スピード差が出るのは予測できた」

「結局のところ、レッドブルに落ち度があるとは思えない。もう選択肢が残されていなかったんだ。とはいえ、マックスの中で最初の引き金になったのは間違いなくあのハードタイヤだった。自分の置かれた状況に腹を立てていたと思う。次に引き金になったのが、“ラッセルにポジションを譲れ”という指示。これらが積み重なって、接触に繋がったんだ」

「レッドブルは以前ほど強くない。それはマクラーレンがより良い仕事をしているからだ。彼らはフェルスタッペンと共に4度のタイトルを獲ったが、F1の世界でそれ以上に支配を続けるのは極めて稀なこと。他のチームも先端技術を持ち、追い上げる力がある」

「それでも僕は、戦略面ではレッドブルが今も最強だと思っている。今回も、スペインでマクラーレン勢と戦えるような異なる戦略を持ち込んできた。でも、最終的には運が少し足りなかったというだけだ」

「単純なパフォーマンスで見ると、レッドブルはもう昔のような支配力はない。マクラーレンがチームとして一体となって取り組んでいて、その成果が見えている」

現在、ドライバーズランキングではピアストリがトップを走っており、2位のノリスに10ポイント差をつけている。フェルスタッペンはピアストリから49ポイント差の3位に後退している。