
FIAがF1ドライバーに対する暴言への取り締まりを一層強化した件について、これを緩和する動きが出てきた。新ルールは「暴言禁止令」(swearing ban)と呼ばれ、2025年シーズンからは、メディア対応時の過度な暴言に対し、レース出場停止やチャンピオンシップポイントの剥奪といった処分が科される可能性がある。
こうした厳格な規制に対し、現チャンピオンのマックス・フェルスタッペンは、対策として「できるだけ喋らない」という戦略を取る考えを示した。オランダの『デ・テレグラーフ』紙によると、フェルスタッペンは冗談交じりに次のように述べた。
「もしかしたら、リンブルフ語(オランダ語の方言)で罵るべきかもしれないな。」
また、カナダ人ドライバーのランス・ストロールも、この暴言禁止ルールについてフランス語圏の『ル・ジャーナル・ド・モントリオール』のインタビューで問われると、率直な意見を口にした。
「これはクソみたいな話だ(C’est de la putain de merde)。」
このように、多くのチーム関係者やドライバーたちが、「メディア対応時の過度な罵り言葉は控えるべき」とする一方で、「レース中のチームラジオでの発言まで規制するべきではない」と考えているようだ。
こうした意見を受け、F1コミッションでは議論が交わされ、レーシング・ブルズのCEOであるペーター・バイヤー氏も、ロンドンで記者団に対してこう語った。
「ネタバレはしないが、今朝のF1コミッションで議論が行われた。我々全員が“ドライバーの感情を大切にしたい”と考えているのは確かだ。チームやFIAが協力し、最適なバランスを見つける必要がある。全体的に、方向性は正しいものになっている。感情を守りつつ、罵りすぎないようにすることが重要なのだ。シーズン開幕までに良い解決策が見つかると確信している。」
この議論の結果、F1側は「チームラジオでの暴言は“ピー音”で処理し、メディア対応時の発言は引き続き厳格に取り締まる」という方針を固めつつあるようだ。