F1マシンのリアから放たれる火花の壮観な光景は、終わりを迎えるかもしれない。約10年前、F1はマシン下部のスキッドブロックを保護する素材としてチタンを義務付ける決定を下した。その結果、レース中にマシンのリアから火花が盛大に飛び散る光景が見られ、F1のスペクタクルな演出に一役買ったことは間違いない。

しかし、2024年の上海で飛び散った火花がコース脇の芝生に引火し、小規模な火災が発生した。この時はさほど問題視されなかった。そして今年の鈴鹿で火花による火災が5度にわたって赤旗中断を引き起こしたとき、関係者はグランプリに及ぼす影響の大きさ気付いた。先週行われたF1委員会の会合後、FIAはこの問題が議論されたことを発表した。

「代替となるスキッド素材の調査、および一部サーキットでの対策を検討することが合意された。」
と、FIAは声明を出した。チタン製のスキッドブロック保護素材は、長い時間その熱を保持するという問題があり、誰も火花が乾いた草に火を付ける可能性を予想していなかった。

代替素材として有力視されているのは鋼鉄であり、特にナイトレースでファンを魅了してきたあのチタンの火花は、今後控えめになる可能性が高いとみられる。