FIAは、F1の次期エンジンに関するバーレーン会議の詳細を公開した。FIAのモハメド・ベン・スライエム会長も参加したこの会議は、2026年から導入される新規則以降の将来のエンジンフォーミュラに関するものだった。

この会議に先立ち、「サステナブル燃料を用いたV10パワーユニット」の復活案が報道を賑わせていた。F1コミュニティの間では、この提案に対する反応は賛否両論であった。しかし、FIAは2026年のレギュレーションに変更はないと断言した。

2026年に現行フォーミュラを維持し、2028年あるいは2030年にV10フォーミュラを導入するという報道もあったが、FIAはこれを否定し、2026年シーズンにはすでに定義された変更を伴うV6が引き続き採用されると明言した。

自然吸気エンジンにサステナブル燃料を使用する議論も行われたが、パワーユニットには一定の電動化要素が含まれることが確認された。また、研究開発(R&D)コストの抑制も重要な議題の一つであった。

会議には以下の関係者が出席した:
・アウディAG CEO、ゲルノート・デュルナー
・ザウバー・ホールディングAG COO、マイケル・モリッツ
・スクーデリア・フェラーリHP チーム代表、フレデリック・バスール
・フォード・パフォーマンス グローバル・ディレクター、マーク・ラッシュブルック
・ゼネラル・モーターズ社長、マーク・ルース
・GMパフォーマンス・パワーユニッツCEO、ラス・オブレネス
・ホンダ・レーシング社長、渡辺康治
・ホンダ・レーシング エグゼクティブ・チーフ・エンジニア、角田哲志
・メルセデス・ベンツ・グループ会長兼CEO、オラ・ケレニウス
・メルセデスAMGペトロナスF1チーム チーム代表兼CEO、トト・ヴォルフ
・オラクル・レッドブル・レーシング チーム代表兼CEO、クリスチャン・ホーナー
・ステークF1チーム・キック・ザウバーCOO兼CTO、マッティア・ビノット

FIAは以下のように声明を発表した:

「会議の冒頭において、FIA会長はこの会議の目的が、F1というスポーツおよびビジネスの長期的持続可能性を守るための費用対効果の高い解決策を模索することであると強調した。FIAは2026年のF1レギュレーションに固くコミットしている。FIA技術部門は多数のステークホルダーとともに、100%サステナブル燃料を使用したハイブリッド・パワーユニットの2026年規則の策定に多くの時間を費やしてきた。」

「2026年のパワーユニットおよびシャシーに関する規則は、新たなパワーユニット製造者たちをこのスポーツに引き寄せており、このサイクルにおいて正しい技術的方向性が選ばれたことを示している。現在も、すべての関係者と建設的な議論を行いながら、細かな修正や調整を検討している。」

「2026年以降の将来についても、さまざまな選択肢やタイムラインが議論された。その中には、サステナブル燃料を用いた自然吸気エンジンの導入も含まれていた。」

議論は以下の点を中心に展開された:

– F1パワートレインの研究開発費の削減
– 世界経済の変動に対する耐性の構築
– F1パワーユニットの複雑性の軽減
– サステナビリティ、安全性、性能、市販車との関連性、音響、観客の魅力に関する配慮

FIAは常に、すべてのステークホルダーと協議の上で将来のエンジン規則を決定する意向を持っている。

今回の会議の結論は以下の通り

– すべての関係者が2026年レギュレーションへのコミットメントを再確認
– すべての関係者が、F1の将来の技術的方向性について引き続き議論していくことで一致した
– 将来のあらゆる検討において、一定の電動化は常に取り入れられる
– サステナブル燃料の使用は不可欠な要素となる
– パワーユニットに関する財政規則の調整も、コスト削減の一環として検討される
– これらの規則の監視・遵守の徹底が優先事項となる