FIAは2024会計年度のコストキャップ審査結果を発表した。結論は「アストンマーティンがごく軽微な手続き違反を犯したが、金額超過はなし」。同チームは監査済み財務書類の提出遅延に関する手続き上の不備として受け入れ合意(Accepted Breach Agreement)に応じ、他の全F1チームとエンジンメーカーは適合と認定された。過去数日の発表遅延に伴ない、マクラーレン、メルセデスの違反に関する報道が行われていたが、FIAが一区切りをつけた格好だ。

FIAは、アストンマーティンのケースについて「競技上の優位を得た証拠はない」と強調。罰則は手続き違反に限定され、超過支出によるポイント剝奪や風洞制限といった重い処分は適用されない見通しだ。これにより、噂された“大規模違反”の可能性は後退し、2021年導入の財務規定が今季も概ね順守されたことが確認された。

今回の公表は例年より遅れた。通常は夏休み明けから初秋にかけて適合証が出されるが、FIAは「精査の最終段階にある」として公表を先送りしていた。この遅延が各所の憶測を招いた経緯があり、FIAの正式発表により状況はようやく収束へ向かう。なお、パワーユニット関連でも全メーカーが適合と確認されている。