
MoneyGram Haas F1 Team

2023年のハースはわずか12点で最下位に沈んだが、2024年は58点で7位へ急伸し、復調の兆しを示した。迎えた2025年前半戦は12戦を終えて29点で9位とやや後退したが、上昇基調は維持していると言える。
ポイント内訳はエース格のオコン23点、ルーキーのベアマン6点。オコンは開幕中国GP5位で大量得点を稼ぎ、堅実なリカバリー走行で着実にポイントを積んだ。肝心な場面でミスをしがちだったオコンは、ハースに移籍して落ち着いたようにみえる。一方のベアマンは3戦で入賞を果たしたものの、英GPの10グリッド降格などミスが響き課題を示した。
VF-25は低ドラッグ仕様を捨て、中高速コーナーの安定性を重視する空力コンセプトを採用。英国GPで投入した新フロアとサイドポッドはフロントタイヤ後方の乱流を整え、予選一発の鋭さを取り戻したが、決勝のタイヤ摩耗とウェット時の制御性は依然として泣き所だ。
前半12戦でチームは2度のダブルQ3進出や、レース中に中断上位に食い込む勢いを見せることが多くなったが、戦略判断の遅れと総合ペース不足で入賞を逃す場面が続いた。
後半戦はパワー依存度の高い高速サーキットが続く。スパで予定される二段階目のアップデートが奏功すれば、中団上位のアストンマーティンやレーシングブルズ、ザウバーとの7位争いに食い込むチャンスは十分ある。鍵を握るのはベアマンの安定性と戦略再構築だ。