
メルセデスのジョージ・ラッセルとレッドブルの角田裕毅は、ベルギーGPのスプリント予選後にスチュワードに召喚され、不必要にスロー走行を行ったとして戒告処分を受けた。
この違反は、レースディレクターのイベントノートに反しているとされている。
スチュワードへの召喚は、FIA F1スポーティングレギュレーションの第33.4条および、レースディレクターが発行したイベントノートの項目1に違反した疑いによるものだった。
これらの規定は「不必要に遅い走行」に関するものである。
ベルギーGPのイベントノートに記載された「スプリント予選、予選、レコノサンスラップ中の走行」に関する項目1には、次のように書かれている。
「スプリント予選、予選、またはスプリントや決勝に向けてピット出口が開いた際のレコノサンスラップ中やその後のインラップにおいて、車両が不必要に遅く走行することを防ぐために、FIAがピットレーンマップ上に示すセーフティカーライン間で設定された最大タイムを下回る必要がある。
練習走行後に、チームとドライバーに最大タイムが通知される。
イベントを安全かつ秩序立てて進行させるため、スチュワードにより特別な事情と認められない限り、スプリント予選、予選、スプリント、または決勝の前後のすべてのラップにおいて、第2セーフティカーラインから第1セーフティカーラインまでの区間で最大タイムを超過したドライバーは、不必要に遅く走行していると見なされる可能性がある。なお、この規定はFIAスポーティングレギュレーション第33.4条および第37.5条を上書きするものではなく、サーキット全体およびピットレーンにも適用される。違反行為は通常、スプリント予選、予選、スプリント、またはレース終了後に調査される。」
スポーティングレギュレーション第33.4条には次のように定められている。
「いかなる時も、車両は不必要に遅く、予測不可能、または他のドライバーや関係者にとって潜在的に危険と見なされる方法で運転されてはならない。」
角田はスプリント予選で12番手、ラッセルは13番手に終わったが、今回の処分は戒告にとどまり、グリッド順位への影響はない。
FIAはこの裁定に至るまでに、データ、映像、タイミング、テレメトリー、チームラジオ、車載カメラ映像を確認し、さらにドライバーとチーム代表者への聞き取りを行った。
ラッセルに関して、FIAの裁定には以下のように記されている。
「63号車のドライバーは、前を走る車との距離を見誤り、最終セクターで後方により大きなギャップができると考えて速度を落とした結果、最大タイムを超えてしまったと述べた。
同様の過去事例と一致するため、ドライバーには戒告処分が科された。」
一方、角田については次のように記されている。
「22号車のドライバーは、デルタタイムの読み違いをしたと述べており、『間に合うと思ったが、今回はそうならなかった』と語った。」
角田にとっては今季2回目の戒告となった。F1では、シーズン中に戒告を5回受けたドライバーには10グリッド降格のペナルティが科される。現在、角田は2回、ラッセルは1回の戒告を受けている。