
ザントフォールトで開催されているF1オランダGPは、観客が自動車で行けないグランプリとなった。主催者は、週末毎に11万人が訪れるにもかかわらず、ほとんどの来場者に公共交通機関または自転車での来場を求めている。
他のF1では駐車場が万全だが、ここでは駐車場を取り壊して自転車置き場に変えてしまった。約4万5千台分の自転車スペースを確保しているという。オーガナイザー、ロイ・ヒルスはこう語った。
「外国人からは“正気か?”と見られるけど、ここで僕たちができることを見てほしい」
2021年、36年ぶりにF1カレンダーに復帰したザントフォールト。地元の英雄マックス・フェルスタッペンへの熱狂的な支持も追い風だった。しかし、入り口になる道路は2本しかなく、駐車場も不足。ヒルスは言う。
「11万人をクルマで運ぶなんて不可能だった」
そのため、何年にもわたる綿密な計画が導入された。海辺の町ザントフォールトへは、関係車両とバリアフリー対応のファン、地元住民などごく一部のクルマだけしか通れない仕組みだ。
オレンジの応援服に身を包んだファンたちは、自転車でサーキット近くへ向かい、「モンツァ」「鈴鹿」など有名サーキット名をつけた場所に自転車を置く。キャンプ場からはバスが、アムステルダムからは5分間隔で列車が運行される。
人口17,000人のザントフォールト住民にとって、この週末はいつもの夏以上に道路が空いているという。この大胆な試みは、2026年限りでF1から姿を消す予定のオランダ・グランプリのチャレンジとして、ほかの大会主催者からも注目されている。
「話して広げていって、最終的にはみんなが取り入れてくれたらいい。ただ時間はかかるだろう」