パート1:フェルナンド・アロンソ、フランコ・コラピント、オリバー・ベアマン

Q:オリー、まずは君から始めよう。今週末、ハースにはアップグレードが入っているね。どのあたりの性能で改善を期待しているのかな?

オリバー・ベアマン:うん。オースティンに来られて嬉しいよ。チームにとってはホームレースだしね。去年はリザーブドライバーとしてここに来て、ただ見て回るだけだったけど、サーキットの雰囲気はとても特別だった。今年は実際に走れるからすごく楽しみにしているよ。そして、クルマにはアップグレードも入っていて、全体的にパフォーマンスが少しでも上がることを期待しているよ。

Q:数戦前のザントフォールトでは素晴らしいレースだったね。シーズン全体を見たとき、ドライビングの観点から今年の進歩についてどう感じている?

オリバー・ベアマン:うん、浮き沈みのあるシーズンだったと思う。でも夏休み以降、良い意味での安定感が出てきたんだ。アプローチの仕方も少し変えて、そこからパフォーマンスにも一貫性が出てきた。チーム内でもいくつかの変化が起きていて、今はすごくいい状況にいると感じているよ。物事がうまく進んでいて、本当に満足している。シーズン初めに目指していたのは、自分自身の運転技術や能力が大きく成長することだったけど、それを実感できているから、良かったよ。

Q:フェルナンド、君にも聞かせてほしい。今年のシーズンを振り返ると、現在チャンピオンシップで11位。チームメイトには予選で18戦全勝している。自分のパフォーマンスをどう評価している?

フェルナンド・アロンソ:どうかな…。自分のパフォーマンスを常に測るのは難しいよね。誰でもそうだけど、サーキットや特性によって浮き沈みがある。週末の展開やレイアウト、そしてクルマのパフォーマンスによって、良く見えたり悪く見えたりする。だから、自分がどれだけ良いか悪いかというより、クルマの影響が大きいんだ。でも、まあ…記憶に残るようなシーズンにはならないと思う。

Q:今週末についてはどうだろう?最近のレース結果を踏まえて、COTAでのポイント獲得にどれくらい期待している?

フェルナンド・アロンソ:どうかな。過去2年、ここでは少し苦戦してきた。2023年も、クルマのパフォーマンス自体は良かったのに、ここでは苦しんだんだ。だから、ここでポイントを取るには過去2年と違うことをしないといけない。でも、直近のシンガポールではペースが速かったからね。今回はスプリント週末で、通常これは僕たちにとってアドバンテージになると思ってる。サーキットをよく知っているし、金曜の2回目の走行でもう予選だからね。チャンスがあればつかみたいと思っているよ。

Q:「違うことをする」と言っていたけれど、それはセットアップ面での変更という意味?何か具体的に教えてもらえる?

フェルナンド・アロンソ:うん。でも、そのセットアップの複雑さをここで説明しても、理解されないと思う。だから、ここでは詳しく説明する必要はないと思うよ。

Q:フランコ、次は君だ。アルピーヌでの走りも板についてきたように見える。直近5戦でピエールを4度予選で上回っているね。夏休み以降、どんなパフォーマンスが引き出せるようになったのかな?

フランコ・コラピント:うん、だいぶ良くなってきたと思う。クルマに対して少しずつ安定感が出てきたんだ。今まではすごく運転が難しくて、コースごと、セッションごとにクルマの挙動が安定しなくて、本当に予測しにくかった。でも、夏休み明けからようやく感覚がつかめてきた。ペースが上がってきたのもその頃から感じられるようになったし、エンジニアたちともいい関係で仕事ができている。もちろん、今のマシンではまだペースが足りていない。シーズンのこの時点で期待していたレベルには達していないから、僕たちはハードに取り組んでいる。問題を理解しようとしているし、マシンにとって有利なコースではしっかりセットアップを合わせて、FP1からベストな状態を作れるように準備している。でも、サーキットごとにそのパフォーマンスを持ち込むのはまだ難しい。僕自身も、セッションごとにクルマを理解して学んでいるところだ。だから簡単ではないけれど、明らかな進歩はあるよ。そういう意味では、自分自身としてはいいレースができているけれど、チームとしての結果にはまだ満足していないんだ。

Q:来年についてはどう?今言っていたように、成長の兆しがあるよね。残り6戦でシートを維持するために、フラビオやスティーブからはどんなことを求められている?

フランコ・コラピント:何も言われていないよ。ただ、今やっていることを続けていけばいいと思っている。チームとの関係はすごく良いし、それに満足している。特に直近5戦ではペース不足に苦しんでいるのに、それでも誰も諦めていない。エンジニアもメカニックも、まるでポイントを取っているかのように全力で取り組んでくれている。今はポイントが取れていないけど、それでもみんなのモチベーションが高いのは素晴らしいことだと思う。もっとクルマのパフォーマンスを引き出すために全員が努力しているし、来年、クルマが良くなったときにはその努力がすごく重要になるはずなんだ。だから、これは今後のためのいい準備になっていると思っている。まだその瞬間は来ていないけど、来年は速いクルマがあると信じているよ。

フロアからの質問

Q:(デイビッド・クロフト – Sky Sports F1)フェルナンド、シンガポールのレース終盤に話を戻しましょう。「信じられない」という叫びが何度も聞こえてきました。ルイスはブレーキが壊れた状態でフィニッシュしようとしていました。こうしたケースにおいて、FIAがもっと厳しく対応すべきだと思いますか? チームラジオでは明らかに苛立っているようでした。ブレーキが効かない状態でラスト3周を走ったドライバーに対し、5秒ペナルティだけで十分だったと思いますか?オーリー、あなたも答えてください。

フェルナンド・アロンソ: いや。僕はあのペナルティで満足しているよ。僕はポジションを得たから、1秒でも十分だった。追加の4秒はいらなかったね。

オリバー・ベアマン: 僕にはもう少し必要だったよ。そうすれば彼を抜けたかもしれないから。

フランコ・コラピント: 僕にはそれ以上必要だったね。

Q:(マラ・サンジョルジオ – Sky Sport F1 Italy)3人に質問です。残り6戦となった今、誰がタイトルを取ると思いますか?その理由も教えてください。直感で構いません。

フェルナンド・アロンソ: 予想するのは難しいよね。みんなが一番知りたいことだし。僕の予想では、ポイント差を考えればマクラーレンの2人が少し有利だと思う。だから、その2人の争いになるんじゃないかな。でも、マックスは信じられないドライバーだし、もし誰かが車の性能差を覆せるとしたら、それはマックスだと思う。だから、どうなるか見てみよう。

Q: フェルナンド、あなたはこれまで多くのタイトル争いに関わってきました。シーズン終盤にタイトル争いをしているとき、ドライバーとしてのアプローチはどう変わりますか?

フェルナンド・アロンソ: 多少は変わるね。週末のすべてのディテールに気を配るようになる。もちろん、シーズン序盤でもそれをやってないわけじゃないけど、長いシーズンだって理解しているから、多少の浮き沈みは許容できる。でも今はもうミスは許されない。追いかける立場なら特にね。だから、ある種のプレッシャーはあるよ。逆に、リードしている側も、たとえ少しの余裕があってもポイント差を失いたくはない。だから週末の雰囲気は間違いなく変わる。でも、そのプレッシャーの中にいるのは素晴らしいことだよ。

Q: フランコ、あなたの意見は?

フランコ・コラピント: わからないな。3人の中の誰かだと思うけど。

Q: 誰か名前を挙げてもらえますか?

フランコ・コラピント: いや、僕からは言わないよ。

Q: フェルナンド、あなたも名前は挙げませんでしたね?

フェルナンド・アロンソ: うん、挙げてないね。

Q: オーリー、あなたはどう思いますか?

オリバー・ベアマン: わからないけど、きっと面白い戦いになると思うよ。マックスが最近ポイントを取り戻しているのはすごいと思うし、3人で最後まで接戦になるといいね。ベストなドライバーが勝てばいいと思う。

Q:(ネルソン・ヴァルケンブルグ – Viaplay)3人に質問です。オンボードラジオについてです。今の時代、ソーシャルメディアもあって、すべての発言が公開されてしまいます。自分の発言が世界中に永久に残ってしまうかもしれないという事実について、どう思いますか?

オリバー・ベアマン: そうだね、理想的とは言えないよね。昔からある話だけど、もしサッカー選手とか他のスポーツ選手がマイクをつけてたら、印象は全然違うと思うよ。僕たちは無線を通じて頭の中で考えてることを話してしまう。でも、このスポーツはアドレナリンもプレッシャーもすごい中でやってるから、エンジニアに対しての不満や感情を共有するためにラジオを開いたときに、世界中の人たちに聞かれるなんて考えていない。だから放送されるのは残念だし、もう少し制限すべきだと思う。僕はそういう考えだね。

フランコ・コラピント: うん、難しいね。自分が何を言ってるかをその場で正確に測るのは大変だよ。このスポーツは他のスポーツと違う点がたくさんある。僕たちはレースの2分前までファンや関係者と接してるし、完全に集中できる時間が少ない。他のスポーツ選手 — テニスでもサッカーでも — 彼らは集中力を高めた状態で競技に入るけど、僕たちはたくさんの外的要因にさらされている。その中のひとつがラジオだし、それが世界中に公開されるのは厳しい時もある。放送されることなんて考えてないからね。だから、発言を慎重にしなきゃいけない場面もあるけど、テレビが何を放送するかも考えるべきだと思う。僕たちの言葉が過激に聞こえることもあるしね。そういうことだと思う。

フェルナンド・アロンソ: 僕も2人に同意するよ。必要ない放送が多いし、放送を選ぶ人の選び方が良くないこともある。99.9%は誤解される。というのも、あれはエンジニアやチームとのプライベートな会話だからね。例えば、日曜の朝に戦略ミーティングで話していたこと — 「もしピットストップ後にこの状況になったらどうする?」とか、「スタートで2台抜いたらどうする?抜けなかったらどうする?」みたいな話をしてるのに、その一文だけが放送されると、家で見ている人には理解できない。ラジオのやりとりがレースの主役になってしまうと、それはレース自体がエンタメとして貧しかったってことだからね。それも悲しいことだよ。だから、スポーツ全体として改善すべきことだと思う。

Q:(トム・スレイファー – DAZN Spain)フェルナンドに質問です。あと6戦でシーズンが終わりますが、4か月後には2026年の新レギュレーションに向けたマシンのテストが始まります。残りの2025年のレースで、来年につながるために達成しておきたいことは?

フェルナンド・アロンソ: 週末ごとに全力でパフォーマンスを出し続けることが大事だと思う。モチベーションを高く保たなきゃいけないし、来年に向けて改善が必要なオペレーション面もあるから、そういう部分を見直していきたい。この6戦をある意味テストとして活用するのもひとつだと思ってる。それと、来年のカレンダーを意識して、少し体力も温存しておく必要があるね。ハードに戦いながらも、この最後の2か月間でちゃんと休息も取りつつ、1月にはフルチャージでスタートできるようにしたい。

Q:(ティム・ハウラニー – TSN)フェルナンドに再び質問です。マックスについてもう少し。あなたの見解で、マックスがこれほどの才能だと言われる理由は何だと思いますか?

フェルナンド・アロンソ まず、彼は4回のワールドチャンピオンだよ。それって偶然じゃない。彼はこのスポーツの歴史の中でも最高のドライバーの一人だと思う。彼はマシンから最大限のパフォーマンスを引き出すことができる。マシンが圧倒的に速ければ、タイトルを取りながら記録も塗り替えていけるし、マシンが最速じゃなくても、予選やレースでしっかりとした走り、バトルを見せてくれる。今年もマクラーレンの方がマシン的には優れているけど、それでも彼はしっかり戦ってる。もしシーズン終盤でポイントが接近したら、彼が注目される存在になるかもしれない。さっきも言ったけど、今のところはマクラーレンの2人の方が優位だと思う。でも、2021年のように、メルセデスより少し劣るマシンでもアブダビでタイトルを取ったこともある。だから、マックスには何が起きても不思議じゃない。

Q:(ミゲル・アンヘル・モッタ – La Voz del Interior)フランコに質問です。今年はここで良い感触があるようですが、今週末はあなたにとって特別なレースになりますか?

フランコ・コラピント: うん。アメリカ大陸でのレースは全部特別だけど、中でもこのオースティン、メキシコ、ブラジルの3戦はずっと楽しみにしてきたよ。アルゼンチンからのファンもたくさん来るし、家族も近くに住んでいて観戦に来るから、本当に温かい気持ちになる。去年もここでいい結果を出せたし、スプリントではQ3にも進出してポイントも取れた。走っていて楽しいサーキットだし、去年も一番好きなトラックのひとつだった。今年も楽しみにしているし、僕にとってはこのアメリカ大陸でのラウンドが最も重みのあるものになってる。

Q:(サヒル・カプール – NBC)フェルナンドに再び質問です。トムの質問に関連して — あなたはタイトル争いで追う立場にも、追われる立場にもなった経験がありますが、どちらが好みですか?そのときのマインドセットの違いは?

フェルナンド・アロンソ: 僕はチャンピオンシップをリードしている方が好きだよ。もし最高のマシンでリードしていれば、タイトルを失うことはないからね。

Q: リードしている方がプレッシャーは大きいですか?

フェルナンド・アロンソ: いや、そうは思わない。今の時点でリードしていないということは、最高のマシンを持っていなかったということだから。これから何か予想外の出来事や奇跡が起きないと逆転は難しい。レース18戦目まで来てリードしていないってことは、残り6戦で逆転するには何かの助けが必要ってことなんだ。

Q:(イアン・パークス – RacingNews365)その質問に続けて、フェルナンド、あなたはさっき最高のマシンがあるかどうかという話をしていました。今シーズン、ランドはオスカーと並んで最高のマシンに乗っていました。2人が同じチームメイトとして、追う立場と追われる立場でどうアプローチが違うと思いますか?

フェルナンド・アロンソ: 残りのレースでは、自分のベストを尽くすしかないと思うよ。ある意味、自分次第の部分がある。ランドが残り6戦全部勝てばチャンピオンだしね。でも、ザントフォールトでのDNFはかなり痛かった。それは今後、どちらかにも起こり得ることだよね。スタートのタイミングやレースの重要な局面 — どこでバトルするか、どこで無理をしないか — そういう判断も大事になってくる。オスカーはもしかしたら1回のDNFがあってもまだ戦えるかもしれないけど、ランドはその余裕が少ないからね。だから、今は運の要素も少し絡んでくる。ランドとオスカーの間で、エキサイティングなシーズン終盤になることを願ってるよ。

Q:(レオナルド・クリウエフ – Grande Premio Magazine)フランコに質問です。来年に向けて、他のチームと話をしていますか?また、他のカテゴリーについて — 以前アメリカでのレースに興味があると話していましたが、たとえばインディカーに乗る可能性についてはどうですか?

フランコ・コラピント: いや。インディカーは観るのはすごく好きだけど、近い将来にここ(アメリカ)で走る予定はないよ。でも、もう少し年を取ってから、いつか挑戦してみたいカテゴリーだね。今のところ誰とも話はしていないよ。


パート2:ガブリエル・ボルトレート、マックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン

Q: ルイス、あなたから始めましょうか?「フェラーリのドライバー、跳ね馬に乗る」という見出しが目に浮かびますね。最近はどんなことをしていましたか?ジャックという名前だったそうですね?

ルイス・ハミルトン:皆さん、こんにちは。僕はファクトリーに行ってからロサンゼルスでの仕事があり、それを終えてここに来たんだ。昨日、初めて馬に乗ったんだけど、本当に素晴らしい体験だった。子どもの頃、近所の畑に1頭だけ馬がいてね、シャイヤー馬だった。とても綺麗な馬で、毎日ひとりでいるのを見かけては、立ち止まってその馬が寄ってくるのを待って、一緒に過ごしたんだ。でも、家に帰る頃になるとアレルギー反応が出て、息が苦しくなって、本当に辛かった。僕は自分が喘息持ちだって知らなかったから、別の機会にまた馬の近くにいたときに喘息の発作を起こして、すごく怖かった。吸入器も持っていなかったからね。それ以来、たぶん14歳くらいの時から、馬とは距離を置くようになった。

それで、アレルギーが酷かったから減感作療法を受けたんだ。特にイギリスでの花粉症が酷かったからね。その後はあまり気にしていなかったけど、今年の初めに『タイム100』の撮影で馬と一緒に写ったときに、抗ヒスタミン薬を飲んでいたから大丈夫だった。それで昨日、Plus 44の撮影でまた馬と一緒になって、「乗ってみてもいい?」って聞いて、乗ってみたんだ。そしたら、もう…すごかった。本当に素晴らしい体験だった。その馬が動き始めて、ギャロップを始めたときは「ヤバい!」って思って、ちょっとパニックになったけど、美しかったよ。これからの新しい人生のフェーズにワクワクしてる。もっと馬と関わっていきたいし、本格的に乗馬に取り組もうと思ってる。次のチャレンジだね。

Q: それでは、サーキットの話をしましょう。昨年はフェラーリがここで良いレースをしましたし、あなた自身もここで5勝しています。今週末の見通しはどうですか?

ルイス・ハミルトン:見通しについては…基本的に僕はいつも「全力を尽くす」ということ以外に期待は持たないようにしてる。でも、毎週末にはポジティブな面もたくさんあるし、改善すべき点もたくさんある。前回のレースの後にも改善できるポイントを振り返って、今週末は車からもっとパフォーマンスを引き出せると思ってる。マシンの性能自体は進化していないけど、まだまだ引き出せる力はあるんだ。実行面をもう少しうまくやれば、もっと引き出せるはず。それが目標だよ。

Q: マックス、次はあなたに伺います。夏休み以降、オスカー・ピアストリとの差を41ポイント広げました。RB21はどのサーキットでも競争力があるように見えます。今週末の展望を聞かせてください。もちろん、勝利を狙っているわけですよね?

マックス・フェルスタッペン:そうだね、もちろん狙うよ。直近の3週末はすごく良かった。レースによって良し悪しはあったけどね。シンガポールでは車のポテンシャルを最大限に活かせなかったと思う。でも、すべてを分析して次に活かすのが大事。それを今回もやるだけだよ。ここはドライブしていて楽しいサーキットだし、スプリント週末だからちょっと慌ただしいけど、どれだけやれるか楽しみだね。

Q: そのシンガポールの話ですが、ランド・ノリスがあなたの今季チャンピオンの可能性を「10%」と言い、ジョージ・ラッセルは「100%」と答えました。実際はその中間でしょうが、あなた自身はどのくらいの確率だと思っていますか?

マックス・フェルスタッペン:50対50だよ。勝つか、勝たないか、それだけ。

Q: 残り6戦、RB21はどこでも速いと思いますか?

マックス・フェルスタッペン:それはわからないな。この車は去年のものとはちょっと違うから、どのサーキットでもうまくいくとは限らない。だから1戦ごとに見ていきたい。ここでベストを尽くして、次に進むだけさ。

Q: ガブリエル、遅ればせながら誕生日おめでとうございます。オースティンでのレースは今回が初めてですね。このサーキットでのマシンのフィーリングについて、どんな予想をしていますか?

ガブリエル・ボルトレート:ありがとう。そうだね、今回が初めてなんだ。今朝、トラックウォークをしてきて、様子を見てきた。すごく楽しそうなサーキットだったよ。特にセクター1は高速コーナーが連続していて面白そうだ。全体としてかなりバンピーなサーキットだから、僕らのマシンがどう反応するか様子を見てみないとね。僕らにとってはそういう路面は得意ではないけど、最近は色々と試しているから、いい週末になるといいなと思ってる。

Q: 色々と試しているとのことですが、現時点でのマシンの競争力はどうですか?ここ数戦はポイントを逃していますが、ペースが落ちてきているのか、それともレースごとの最適化の問題でしょうか?

ガブリエル・ボルトレート:ポイントを取れたレースでは、Q3に進出できるくらい良いラップがあって、いいスタートポジションを得られたから、それを維持できていたんだ。シンガポールではイエローフラッグの影響で運が悪くて、Q1で敗退してしまったけど、すごく良いラップが出せればQ3に入れた可能性もあったと思う。後方からのスタートになると、オーバーテイクは本当に難しいからね。なんとか粘って走っていたけど、厳しい週末だったよ。レースペースもあまりなかったし。他のチームも開発を続けているから、僕らだけが良い仕事をしているわけじゃないんだ。数戦前よりは難しい状況だけど、まだまだポイントを狙えるポジションにはいると思ってるよ。

フロアからの質問

Q:(マラ・サンジョルジオ – スカイスポーツ・イタリア)マックスに質問です。ドライバーズランキングを見ていて、日本での発言を思い出しました。マクラーレンのクルマなら東京まで行けるとおっしゃっていましたね。そこで質問です。マクラーレンのクルマだったら、今ドライバーズランキングで何位にいると思いますか?

マックス・フェルスタッペン:え?僕が東京に行けるって言ったの?

Q:(マラ・サンジョルジオ)はい、そう言っていました。

マックス・フェルスタッペン:本当に僕が言ったの?まあ、東京は好きだよ。良いところだ。でも冗談だったんだ。分からないけど、そういうのを真剣に考えるのは意味がないと思う。

Q:(デビッド・クロフト – スカイスポーツF1)ルイスに質問です。クリスチャン・ホーナーとフェラーリが話し合っているという話があります。それが良いか悪いかではなく、それはフェラーリ内部に根本的な問題があるというサインでしょうか?あなたはチームと一緒に、どうやってそれを正そうとしていますか?

ルイス・ハミルトン:その噂がどこから来たのか分からないし、あまり詳しく話せることもない。僕たちにとっては少し気が散る話だ。チームはフレッドとの再契約について明確な立場を示している。フレッドも僕も、チーム全体も未来に向けてすごく努力している。こういう噂は役に立たない。工場にいるみんなは本当に一生懸命働いているし、集中している。だから、僕としては目の前の目標に集中すること、来年のクルマを築いていくことが重要だ。スパの時にも言ったけど、たくさんのミーティングを重ねて、正しい方向に進んでいることを確認している。

Q:(チアゴ・ファグナーニ – TVバンデランテス・ブラジル)ガブリエルに質問です。まずは誕生日おめでとうございます。新しいサーキットに臨むにあたって、シミュレーターはどれほど重要ですか?今回のオースティンのレースに向けて、何時間くらいシミュレーターで練習しましたか?

ガブリエル・ボルトレート:誕生日を祝ってくれてありがとう。僕にとってシミュレーターは大事なものだ。ずっとやってきたことだし、こういう新しい、しかもテクニカルなサーキットに向けての準備には欠かせない。チームと一緒に、そして自宅の新しいシミュレーターでもかなりの時間を費やした。正確に何時間とは分からないけど、かなりの周回数を走った。やりすぎたかもしれないけど、十分だったと思う。しっかり準備してきたし、あとは明日走るだけだ。FP1しかないけど、感覚を掴んでスプリント予選に挑むよ。

Q:(マルゴ・ラフィット – カナル+)ルイスに質問です。残り6戦の中にスプリントが3回ありますが、その期間のアプローチについて教えてください。まだ答えを探していること、チームにとって2026年に向けて必要なことなどもあれば教えてください。

ルイス・ハミルトン:この6戦はテストウィークエンドとして捉えている。プロセスを学んで改善するための機会だと考えている。前回のレースでも、良い部分がいくつかあったのに活かしきれなかった。だから、その良い部分をしっかり引き出して、うまくいかない部分は改善していく。それがこれからの目標だ。チーム内の関係やコミュニケーションも強化し続けている。工場で働くみんなは良い結果に値する存在だし、週末に可能な限りポイントを最大化していくことが唯一の目標だ。それは実現できると信じているから、集中を保って進んでいく。

Q:(レオニド・クリュエフ – グランプレミオ・ブラジル)ガビーに質問です。あなたはもちろんチャンピオンになりたいと思っているでしょうが、例えば2021年のルイスとマックスのような激しいバトルになることもあると思います。そういったシーズンに挑む覚悟はできていますか?

ガブリエル・ボルトレート:うん。はっきりとは分からないけど、どんな状況でも準備が必要だと思う。F1にいるなら、誰もがそういう考えを持つべきだ。2021年のシーズンはルイスとマックスにとってとても長いものだったし、外から見ている分にはすごく面白くて緊張感もあった。いつか、ああいう最後まで競り合うようなシーズンを経験できたらいいなと思う。

Q:(ナイジェル・チウ – スカイスポーツ)マックスに質問です。ここ数戦のクルマのフィーリングは、夏休み前と比べてどのくらい変わりましたか?そして、今はタイトルを狙えるという自信が、シーズン序盤より強まっていますか?

マックス・フェルスタッペン:クルマは以前よりバランスが良くなっている。以前はオーバーステアやアンダーステアがひどいこともあったけど、今はそこまで極端じゃない。でも、毎週末ちょっとずつ調整が必要なのは変わらない。完璧な状態なんてないからね。でも最近はクルマの状態がまとまってきている。タイトル争いに関しては、信じるかどうかというより、現実的に見るべきだと思う。いい結果が出ているし、クルマが速いときは僕も上位で戦える。それだけのことだよ。

Q:(イアン・パークス – レーシングニュース365)マックスに質問です。今シーズンはチャンピオン争いで追う立場ですが、過去3年は追われる立場でした。その違いをどう感じていますか?そして、オスカーやランドを追いかける中で、クルマに何を求めていますか?

マックス・フェルスタッペン:あまり深く考えてないよ。ただ週末ごとに全力を尽くすだけだ。前にいようが後ろにいようが関係ない。もちろんチャンピオンシップをリードしている方が気分はいいけどね。でも毎レースを勝つチャンスだと考えている。勝てなければ仕方ない。人生は続くし、そんなにドラマチックに捉えていない。プレッシャーも感じていない。既にチャンピオンになっていることが助けになっているのかもね。チームとしても、今のクルマをもっと理解しようとしているし、来年に向けての学びにもなっている。来年が全く新しいスタートというわけじゃないから。

Q:(ジャック・スミス – モータースポーツ・マンデー)マックスに質問です。最近のレッドブルの復調は、あなたがチームをプッシュしてきたことが大きいとローラン・メキースが語っていました。あなた自身も哲学が少し変わったと話していましたが、そうした変化がチームに長期的にコミットする決断を後押ししていますか?

マックス・フェルスタッペン:うん。でも結局のところ、これはチーム全体の努力によるものだ。僕はみんなと一緒に仕事するのが楽しいし、良い雰囲気の中でやれている。今は良い流れに乗れていると思う。良い結果が出ていて、それがみんなの自信につながっている。それがあるから、週末が待ち遠しくなる。クルマが何をできるのか、どう走らせればいいのか、前よりもずっと理解が深まってきていると感じている。

Q:(サヒル・カプール – NBC)マックスに質問です。今シーズンはマクラーレンの後ろを走ることもあれば、前にいることもありました。最近、レッドブルが改善した中で、どこがマクラーレンより優れていて、逆にマクラーレンがまだ勝っている部分はどこですか?

マックス・フェルスタッペン:全体的に見て、彼らは中速コーナーで非常に強いと思う。そこは間違いなく彼らの強みだね。それ以外の部分は、サーキットのレイアウトやコンディションにもよるから一概には言えない。でも中速コーナーは、今でも彼らの得意分野だと思う。

Q:(アンドリュー・ベンソン – BBCスポーツ)ルイス、フェラーリがクリスチャン・ホーナーと話をしているという報道に、真実味があると思いますか?また、彼がチーム代表になるのは良いアイデアだと思いますか?

ルイス・ハミルトン:分からないし、その噂に付き合うつもりもないよ。

Q:(アダム・クーパー – アダム・クーパーF1)ルイス、シンガポールのレース終盤について教えてください。完走するのはどれほど大変でしたか?ペナルティは避けられないものでしたか?その場でペナルティを受けるだろうと分かっていましたか?

ルイス・ハミルトン:うん、終盤はかなり神経を使ったよ。タイヤ3本でゴールしたことはあったけど、今回はブレーキ3つでの完走だった。もう二度と経験したくないね。クルマは止められたけど、ああいう状況だと、ペダルが床までストンと落ちてしまうんだ。だから、エスケープロードに行くしかなかった。あれはそうしないと曲がれなかったから。FIAからのペナルティは妥当だったと思うし、僕にとっては大した問題じゃない。

Q:(アラン・ボールドウィン – ロイター)ルイス、少し話題を変えますが、シンガポールのあと、あなたのInstagramで「信じられない(I don’t believe it)」というビクター・メルドリューの動画を投稿していましたね。フェルナンドとはそのことについて話しましたか?昔のチームメイトとして笑い合ったりしましたか?

ルイス・ハミルトン:信じられない!(笑)いや、あれ以来フェルナンドには会ってない。でも、ただの冗談だったんだ。あの番組を思い出したんだ。20年以上見てなかったけど、面白かったから投稿した。人生、ちょっとくらいは楽しんでもいいでしょ?

Q:(ロドリゴ・フランサ – カーマガジン・ブラジル)3人全員に質問です。皆さんともにF1への道をお父さんが支えてきたと思いますが、F1までの道のりで最も印象に残っているお父さんとの思い出は何ですか?

ガブリエル・ボルトレート:F3とF2でチャンピオンになったときだね。父は仕事で忙しかったから、キャリアの中であまり多くのレースには来られなかったんだけど、タイトル争いのときは来てくれた。チャンピオンを決めたあとに最初に抱きついたのが父だった。その瞬間は本当に特別だったよ。2023年と2024年は特に思い出深い年だった。クルマの上で喜んで、まっすぐ彼のところに歩いていった。それから、初めてサーキットに連れて行ってもらった幼い頃のことも覚えている。

マックス・フェルスタッペン:僕が一番印象に残っているのは、父自身がどれほど優れたレーシングドライバーだったかということだ。もう少し運があれば、F1でもっと良いキャリアを築けたと思う。でも何よりすごいのは、彼のレースに関する知識、マシンのセッティングやカートの調整の知識だった。小さい頃から教えてもらったことは、言葉では説明できないくらい貴重だった。それが今の僕を作ってくれた。ただ速く走るというだけじゃなくて、クルマについての深い理解がある。彼はチーム代表に向いていると思うよ。本人はやりたがらないけどね。でも本当に優れたリーダーになれると思う。いまでも一緒にいろんな話をする。彼のラリーカーのこと、僕のF1のこと、GT3のチームのことも。とにかくすごい知識量なんだ。彼が自分のキャリアを止めて、僕のF1までの道を100%、いや、110%サポートしてくれた。あれほど献身的な人を僕は他に知らない。マテリアルを与えてくれるだけじゃなくて、自分の手でそれをチューニングしてくれていたんだ。

ルイス・ハミルトン:僕にとって一番の思い出は、5歳の頃に一緒にF1を見ていたことだね。あとは父が掛け持ちでいろんな仕事をしていたこと。「売地」の看板を立てる仕事もしていて、僕も一緒に手伝っていた。父が仕事から帰ってきて、僕のカートを整備しているのを見るのが好きだった。レースのスタート前には、父と特別な握手をしてから走り出していた。僕が無事に帰ってこられると信じられたのは、父がそばにいてくれたからだった。そして何より、F1で初優勝したとき、表彰台の下に父がいた。家族全員がどれだけ努力してきたかを知っているから、あの瞬間は最高のハイライトだった。

Q:(ジュリアンヌ・セラソリ – UOL.com.br)マックス、来年のメルセデスのラインアップが決まりましたが、そういった契約の詳細に興味を持ったりしますか?それとも、自分には関係ないと考えていますか?

マックス・フェルスタッペン:興味はないよ。全然大丈夫。

Q:(イアン・パークス – RacingNews365)マックス、先ほどあなたが語ったお父さんへの素晴らしいコメントに関連しての質問です。彼がチーム代表になれるという話をされていましたが、実際にそういう話をしたことはありますか?それを止めている理由は何だと思いますか?そして、どのレベルでのチーム代表としての可能性を考えていましたか?

マックス・フェルスタッペン:結局のところ、家族のことも関係していると思う。レース数が多いからね。チーム代表になったら、全戦に同行しないといけなくなる。まず、僕自身は今のチーム代表にとても満足している。でも、父ならどんなレベルでもチーム代表を務められると思うよ。カートチームからF1まで。でも、まあ、それでいいんだ。さっきも言ったけど、今もいろいろなことを話しているし、彼は陰で支えてくれている。F1やGTのことで何か解決しなきゃいけないことがあるときには、助けてくれる。彼には世界中にたくさんのコネクションもある。本当にクールだと思うよ。僕たちはふたりとも、あらゆる形のモータースポーツが大好きなんだ。

Q:今でもドライビングのアドバイスはくれますか?

マックス・フェルスタッペン:もし僕がラリーカーに乗るなら、くれるかもしれない。でも、それ以外はないよ。どこでブレーキすればいいとか、どこでターンインするか、そういうことは言ってこない。ただレース週末の間に起きたことや、クルマのことについて話し合っている。それだけだね。

Q:(ジョン・マッセンゲール – スピードシティ)ルイスへの質問です。あなたのホームタウンへようこそ。あなたがF1でここに来始めた2012年頃、ダウンタウンのオースティンで、ドライバーたちが普通に歩いていても誰も気づいていなかったのを覚えています。あれから、このスポーツ、オースティンの街、そしてサーキット・オブ・ジ・アメリカズがどのように変化してきたと感じていますか?

ルイス・ハミルトン:アメリカでのF1人気の成長を目にすることができて、本当に素晴らしいと思う。このサーキットは、アメリカの中では僕にとってベストだし、カレンダーの中でもお気に入りの一つだ。アメリカのスポーツ文化、とくにカレッジフットボールとかね、ものすごく熱心なファンがいるから、その中にF1が入り込めたのは嬉しい。最初にここに来たときは、「F1って何?」っていう雰囲気だったけど、NetflixでのF1シリーズや、今年僕たちが関わったF1映画が公開されたりして、大きな進展があった。幅広い世代の人たちがレースを観に来てくれるようになったし、ここに来ると毎回すごい観客数だ。僕にとって、この週末は毎年楽しみにしているイベントの一つだ。街に行って美味しい食べ物を食べたり、雰囲気がすごく良いんだ。だから、オースティンの人たち、そして僕たちを毎年迎えてくれるボビーに感謝している。サーキットも毎年少しずつ改善されている。まだちょっとバンピーだけど、それは地盤の問題もあるから仕方ない。最近はテーマパークもできたし、本当に素晴らしいイベントになってきている。

Q:(ジュリアン・リンデン – ヘラルド・サン)マックス、マクラーレンがランドを優遇しているように見えるという声もありますが、そう思いますか?もしそうなら、それはあなたにとって有利になりますか?

マックス・フェルスタッペン:絶対そうだよ!…まあ、誰かがそう言ってたのを聞いた気がするけど。僕にとって有利かって?分からない。正直どうでもいい。だって、それは僕とは関係ないことだから。彼らがチーム内でどう運営しているか、どういう決定をしているかは、完全に彼らの自由だ。ここ数年であれだけ速くなったのは事実だし、本当にうまくやっている。僕にとって大事なのは、レースに来て、自分たちのポテンシャルを最大限に引き出すこと。それさえできれば、自分たちでコントロールできる。もちろん、シーズン全体を見れば僕たちはいいスタートが切れなかったけど、それでも毎週末、すべてを最大限に活かして勝利を目指す。それがシーズン終了までにできる唯一のことだよ。