上海のスプリント予選後、マクラーレンのオスカー・ピアストリが「クルマ自体には手応えがある」と言いながらも、メルセデスの数字に軽く呆然としていた。2026年新規則の導入直後、2週連続でメルセデスが予選セッションのフロントロウを独占した。しかも今回は、ジョージ・ラッセルがスプリント・ポールを獲り、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリを0.289秒突き放した。周囲が「何が起きているのか」を測り直している間に、銀色の2台だけが先に答えを出していた。
マクラーレン側の感触は、悪くなかった。ピアストリは5番手。ラップの質としては「悪くない」と言い切れるだけのものだった。ただし、タイムシートが突きつけた現実は別だった。ミディアムからソフトへのグリップの伸び幅は大きく、手順としては“やること”は見えていたのに、メルセデスとの差だけが説明不能なレベルで残った。
「悪くはなかった。ミディアムからソフトに替えた時のグリップの伸びはかなり大きかったと思う。でも、もちろんメルセデスとの差はかなり印象的だ。」
「だから、僕らとしては試したいこと、取り組むべきことがいくつかある。クルマの感触はかなり良かった。ラップとしても十分にまとまっていた。そこまで『まだ大きく残っている』感じはしなかった。」
つまり、マクラーレンは前進している。だが、その前進は「メルセデスに噛みつける」速度には届いていない。いまの争点は、トップを追うことではなく、2番手争いをどう制するかだ。実際、チーム代表アンドレア・ステラは、パワーユニットの使い方の理解が進み、豪州の混乱気味の入りよりも“再現性”が出たことを進歩点に挙げた。
「改善の兆しはいくつかある。特に、パワーユニットをどう使うかの理解という点だ。フリー走行1回目ではばらつきが少なくなり、予選でどう使うかについても、より明確になっていた。」
「その結果としてラップタイムが良くなり、現時点では手の届かないメルセデスの後ろに付ける形で予選を終えられた。」
「ただ、マクラーレンがフェラーリと一緒に“2番手争い”を戦えるのは良いことだ。オスカーとランドのスタート位置も良い。2人とも本当に良い走りをした。明日のスプリントに向けて良い状況だ。」
その“2番手争い”の輪郭は、スプリント予選の並びがはっきり示した。ランド・ノリスが3番手を確保し、フェラーリ2台(ルイス・ハミルトン4番手、シャルル・ルクレール6番手)の間に割って入った。勝てるかどうかより、「どこまで現実的に削り取れるか」を冷静に言語化したコメントだった。
「今のところ、P3が僕らにできる精一杯だ。正直、今日はフェラーリ2台を両方とも上回れたことがかなりうれしい。あの2台は一日中ずっと良さそうだったからだ。」
「明日に向けて良い位置だ。今週末は確実に状況が良くなっている。パワーユニット側の要素で言うと、このコースは(前戦より)ずっとシンプルだからだ。」
「だから、みんなの状態がもう少し同じラインに揃いやすくなる。でも、最後に僕らはそこから良いものを引き出せたし、差も接近していた。良いラップで、良い位置に付けられた。」
