メルボルンのアルバートパークで、リアム・ローソンとセルジオ・ペレスの火花がまた散った。見た目は中団後方の小競り合いだったが、当人同士にとっては「続き物」だった。

発端はオーストラリアGPのレース中、ターン3でペレスがローソンのレーシング・ブルズを外へ押し出すような守備を見せた場面だった。大クラッシュ寸前の距離感で、ローソンの無線は一気に荒れた。

「あいつ、マジでクソだ。」

挑発を受けた側の反射ではなく、積み上がった苛立ちが噴き出した言葉だった。対してペレスは、ローソンの怒りを面白がるように返した。

「ハハ! こいつ、どうしたんだ?」

このやり取りが示していたのは、順位以上の温度感だった。2年前、両者は“レッドブルの2025年シート”をめぐる心理戦の渦中にいた。その頃にもメキシコシティで激しくやり合い、ローソンがペレスに中指を立てた一件が記憶に刻まれている。今回のメルボルンは、舞台が変わっても遺恨が残っていることを露骨に見せた。

ローソンはその後、同じ周回のターン11で強引に前へ出た。それでも怒りは収まらず、レース後には「まだ根に持っている」と断じた。

「2年経っても、あいつは全然引きずってるよ。」
「世界選手権を争ってるみたいに僕と戦ってくる。でも僕ら、16番手あたりだ。」
「まあ、正直そんなに気にしてない。あの時点で僕のレースはもう終わってたようなものだったから。」
「違法ってほどじゃない。攻撃的だっただけだ。別に……正直、16番手の争いだから僕は気にしないよ。」

ただ、ローソンの週末は“ペレス以前”に崩れていたという。スタートで原因不明のパワーロスが起き、信号が消えた瞬間に加速が消えた。冬のテストでは出ていない症状だという。

「パワーがなかった。」
「スタートして、いきなり全部のパワーが抜けた。」
「そのまま止まってて、戻そうとしても戻らなかった。数秒後に戻ったと思ったらホイールスピンした。」
「何が起きたのか分からない。テストではこんなのなかった。」

一方のペレスは終始、温度を上げなかった。3周遅れでの完走という現実もあり、あれは遺恨ではなく「今のマシンでできる範囲のレース」だったと言い切った。

「ちょっとしたレースの楽しみだった。」
「僕はずっと遅いクルマに乗ってる。だから僕にとっては、ただレースをしようとしてただけだ。」