2026年のF1が見据える「次の時代」は、いまのところ歓迎ムードより反発の熱量のほうが勝っている。論点の中心にいるのは、またしてもマックス・フェルスタッペンだ。彼は新レギュレーション世代のマシンを、遠慮なく切り捨てている。だが、その辛辣さが「やる気の低下」や「早期引退」の兆候かといえば、レッドブルのローラン・メキース代表は真っ向から否定した。

プレシーズンの段階で、フェルスタッペンは新車群を痛烈に揶揄した。

「フォーミュラEにステロイドを打ったみたいだ」

さらに開幕戦オーストラリアGPの週末にも不満は消えず、予選を終えた感触をこう言い切った。

「完全に空っぽになった」

ドライバーやファンの不安が広がっているとして、FIAが介入すべきだとも訴えた。こうした発言が積み重なり、「契約が切れる2028年に去るのではないか」「それより前もあり得るのではないか」という憶測が、パドックの空気を曇らせた。

だがメキースは、フェルスタッペンの“批判”と“戦う姿勢”を切り分けている。チーム内部での彼は、昨年と何も変わっていないという。細部への執着、フィードバックの精度、パフォーマンスを引き出すための圧力。そのすべてが、むしろ強まっているとすら聞こえる。メキースの言葉は具体的だ。

「いや、いや。彼が僕らと一緒にいる限り、チームとの関係という点では、去年と比べて何も違いはない。あらゆる細部について、彼がどれだけ必死に突き詰めているか、どれだけ正確に、すべてにフィードバックしているか。その点でまったく変わらない」

そして、個人的な好みと仕事を分離できているとも強調した。

「だから彼は、僕らと一緒に振り返りをするときや、僕らが一緒にパフォーマンスを追いかけるときには、自分の好みはいったん横に置けるんだ」

要するに、フェルスタッペンは「製品」に不満があるだけで、「勝負」から降りたわけではないという整理だ。しかもメキースは、彼の批判を単なる愚痴ではなく、競技の前進を促す入力として扱っている。中国GP後にルールの見直し議論が進む可能性が示唆されているなかで、メキースは“競技としての落としどころ”を探る姿勢を口にした。

「マックスはこのスポーツを気にかけているし、改善できると思う点について、僕らにたくさんの意見をくれている。僕らはそれを聞いている」
「スポーツ全体として、チーム同士でも、FIAやF1とも話していて、これからどう進むべきかを探っている」
「もちろん、ここ(アルバートパーク)は最も難しいコースのひとつだ。中国のあと、エネルギー消費がもう少し少ないコースに行ったときに、どれだけ違いが出るかは興味深い。そしてもし改善すべき点があるなら、スポーツとして必ず方法を見つけると思う」