母国オーストラリアGPの決勝は、オスカー・ピアストリにとって始まる前に終わった。グリッドへ向かうための下見走行、いわゆるレコノサンスラップ中のクラッシュで、マシンは大破し、その場でリタイアが確定した。予選5番手という上々の土台は、決勝スタートのかなり前に瓦解した。
事故が起きたのはスタート約40分前だった。ピアストリはターン4の左コーナー立ち上がりで縁石に乗った直後、マシンが突然スナップし、激しくスピンして左側のウォールに突き刺さった。フロント周りは深刻に損傷し、右フロントのホイールとサスペンションも壊れて走行継続は不可能になった。本人が無事だったことだけが救いだった。
本人の口から最初に出てきたのは、苛立ちと落胆だった。
「ただただガッカリだ。ああいう状況は起きてはいけない。だから本当に残念だ。正直、ショックで驚いた。反応する暇もないうちに、もう後ろ向きだった。全部が一瞬だった。」
「レースからクラッシュして消えるとか、レースに向かう途中でクラッシュするなんて、起きてはいけない状況だ。」
今回のスピンは、単に「タイヤが冷えていた」「縁石に乗りすぎた」で終わらなかった。記事の中でピアストリは、まず自分の責任を明確に認めている。その上で、決定的な“もう一段”があったと示唆した。
「いくつか要素が重なっていた。最初に強調したいのは、確かに僕の要素が大きいということだ。タイヤが冷えていたし、週末ずっと毎周あの出口の縁石を使っていたけど、使う必要はなかった。」
「同時に、予想していなかった追加のパワーが約100kW出ていた。これは小さくない。」
さらに厄介なのは、本人の感覚として「マシンが壊れたから」ではなかった点だ。規則下でのパワーユニットのエネルギー展開、その“仕様としての挙動”が、最悪のタイミングで牙をむいたという見立てだった。
「受け止めるのがいちばん難しいのは、全部が普通に動いていたことだ。これはルールの中でエンジンがこう動かないといけないという機能の結果なんだ。だからそこが受け入れがたい。」
「もし『タイヤが冷えていて、僕が楽観的にいきすぎた』で片づくなら、ある意味ではその方が楽だったかもしれない。でも、ああいう別の要因が加わると、さらに痛い。」
