オスカー・ピアストリは浮かれなかった。アルバート・パークでの金曜午後、マクラーレンのピアストリはフリー走行2回目(FP2)で最速を刻んだ。それでも本人は、メルセデスとフェラーリに対して「まだ一歩足りない」と見ている。

新時代の幕開けは、いきなり混沌だった。マクラーレンはFP1で2台ともに信頼性トラブルに見舞われ、週末の立ち上がりとしては最悪に近い。ピアストリの見立てでは、FP1はこれまで経験した中でも最も難しく、最も複雑なセッションだった。だがFP2では、ようやく「新しい普通」に近づいたという。

「FP1は厄介だった。僕がこれまで走った中でも、断然いちばん厄介で、いちばん複雑なセッションだった。」
「FP2は、言ってみれば“新しい普通”に少し戻った感じだった。」
「すべてがもう少しスムーズに回った。もう少し一貫性を見つけられたし、想定していたとおりに物事が動く場面が増えた。」

この「想定どおりに動く」こと自体が、2026年の技術レギュレーション序盤では武器になる。ピアストリは、現状はクルマが狙いどおりに振る舞うだけで、ラップタイムが大きく動くと強調した。タイムシートの並びが、そのまま勢力図を示しているかは分からないという。

「難しいところだ。」
「特に今の段階は、クルマがだいたい想定どおりに動いてくれさえすれば、それだけでラップタイムが大きく縮む。今はそこが大きいと思う。」

最速タイムを出してなお、ピアストリの視線は上にある。マクラーレンの単発の速さは「いるべき場所に近い」と認めつつも、ロングランの実力はまだ精査が必要だと話した。そして決定的なのは、メルセデスとフェラーリに対して“遠く離されている”とは思っていない一方で、“まだ少し届いていない”という感覚が消えていない点だ。

「僕たちのペースは、だいたいその近辺にはいたと思う。ただ、ロングランのペースがどう見えていたかは分からない。そこは見直さないといけない。」
「ただ、僕たちがメルセデスとフェラーリから大きく遅れていると思ったことは一度もない。」
「僕としては、いつも“ほんの少し一歩足りない”くらいだと感じていたし、今もそう感じている。」
「すべてをもっと最適な状態に持っていければ、みんなが100%の状態なら純粋な性能で勝てないかもしれない。でも今いちばん大事なのは、この段階でどれだけ100%に近づけるかだ。」

新レギュレーション初期は、速さだけでなく“再現性”が勝負を分ける。ピアストリの言葉は、金曜の最速がゴールではなく、むしろ「整った瞬間にだけ出たタイム」である可能性を示唆している。逆に言えば、週末を通してクルマを思いどおりに機能させられるチームが、最終的に前に出るという読みだ。

同じマクラーレンでも、もう一方のガレージは景色が違った。現世界王者ランド・ノリスはFP1で7周しか走れず、FP2も7番手で、チームメイトから1秒以上遅れた。だがノリスは、予選へ向けて「一晩でやるべきことがある」と冷静に語った。

「クルマを狙いどおりに仕上げていくという点では、僕たちは悪くない位置にいる。」
「ただ、一晩かけて、さらに前進できるところを見直す。セットアップ、タイヤ、そしてパワーユニットのマネジメントと最適化まで、あらゆる面に焦点を当てる。」
「予選までの走行時間が限られている中で、みんなまだアプローチを詰めている。FP1からFP2にかけて全体的に改善が見えた。」
「明日の予選は、僕たちも戦いの中にいたい。精度がこれまで以上に重要だ。想定されるトラフィックの中で、準備を完璧に実行することが大事になる。」