メルセデスF1代表のトト・ヴォルフが、2026年型マシンの立ち上がりに手応えを示した。近年の“グラウンドエフェクト時代の頭痛”をようやく振り払い、チーム内には久々に現実的な楽観が広がっているという。新世代パワーユニットと空力の大改革が始まる中、ブラクレーの新車「W17シルバーアロー」は、前任車にあった神経質さを捨て、より安定したプラットフォームへ寄ったとされる。

バーレーンのプレシーズンテストでは、メルセデスが全チーム最多の周回を走り込み、かつてグリッドを支配した“盤石さ”を思わせる雰囲気も漂った。ただしパドックの下馬評が先行する中でも、ヴォルフは慎重な姿勢を崩さず、それでも「クルマの魂」の部分が根本的に良くなったと認めた。

「テストを始めて、実際にフィーリングがちゃんとしていたのはホッとした」
「ドライバーたちはこのクルマにかなり満足している。ストップウォッチ上でも、僕たちは決して途方もなく離れてはいないと分かっている。ここ3〜4年も同じで、いつも“まったく駄目”というわけではなかった」

この数日、ヴォルフはパワーユニット関連の“圧縮比(compression ratio)”を巡る議論への対応でメディアに囲まれてきたが、論点が沈静化し始めたことで、ようやく本題である純粋な戦闘力の話へと舵を切った。

開幕オーストラリアGPに向けて「メルセデスが本命なのか」と問われても、ヴォルフは最後まで抑制的だった。テストは燃料搭載量などの条件が見えにくく、見かけの順位は簡単に入れ替わるという現実を強調した。

「まだ誰がどこにいるのか、本当には分からない。燃料10kgで、ラップタイムはコンマ3〜0.35秒くらい変わり得る」
「ある程度の推測はできる。現時点では4チームで、だいたい“いつもの顔ぶれ”だと思う。僕たちも、その先頭で戦えるグループの一角にいるはずだ」