フォーミュラ1(F1)の商業権を保有するリバティ・メディアが、2025年通期の業績を公表した。売上高は前年比14%増の39億ドルに伸び、営業利益は同28%増の6億3200万ドルに拡大した。競技としての人気だけでなく、放映権・配信・スポンサーを束ねた事業としても拡大局面に入った姿が数字から浮かぶ。
成長を牽引したのはメディア権利だ。放送関連の収入は2025年のF1総収入の約31.3%を占め、最大の稼ぎ頭になった。放送局との契約料の増加に加え、F1 TVの加入者増、さらにNetflixシリーズ『Drive to Survive』など話題性の高いコンテンツにひもづく一時収入が押し上げたという。
現場の熱量も、数字で裏付けられた。シーズン総入場者数は4%増の675万人に達し、ライブのテレビ視聴者数は21%増と大きく伸びた。拡大した果実はチームにも回り、2025年のチーム分配金は約14億ドルに増加した。参戦企業にとって、F1は単なる広告媒体ではなく、収益分配を伴うビジネスの舞台になりつつある。
リバティは中長期の布石も示した。ポルトガルGPは2027年と2028年の開催が予定され、中南米・カリブ地域ではESPNとの放送パートナーシップを2028年まで強化した。成長市場を押さえにいく姿勢が鮮明だ。
F1のステファノ・ドメニカリCEOは、75周年にあたる節目の年を「記録ずくめのシーズン」と位置づけた。
「F1はまた一つ、記録を塗り替えるシーズンを終えた。競技にとって特別な75周年の年だった。」
次の局面についても、変化を前向きに語った。
「F1の次の章では、マドリードでの新レース、キャデラックとアウディの参戦、そしてホンダとフォードのグリッド復帰によって、コース上の興奮が加速する。」
さらに新世代の車体・パワーユニット・レギュレーションが、競争の構図そのものを揺さぶると見通した。
「来季は、次世代のマシン、エンジン、レギュレーションを導入するスリリングなシーズンだ。ダイナミックなレースと、引き込まれるストーリーが生まれるはずだ。」
最後に、競技基盤の強さを「顔ぶれ」で示した。
「ディズニー、レゴ、ペプシ、アップル、スタンダードチャータードを含む一流パートナーがそろっていることが示す通り、僕たちのスポーツはかつてないほど強い。」
