マックス・フェルスタッペンが、自身のF1キャリアの終着点をこれまでになく具体的に語った。4度の世界王者は、記録や長期政権への執着が薄いことを改めて明言し、家族と人生そのものを優先したいという考えをはっきりと示した。

フェルスタッペンは現在28歳で、レッドブルとは2028年まで契約が残る。それでも本人は、F1での時間が多く残されているとは考えていないという。背景には、2026年からの新レギュレーションへの強い懸念がある。本人は以前から次世代マシンを「楽しくない」と評し、「フォーミュラEのステロイド版」とまで言ってきた。

米ポッドキャスト『Up To Speed』で今後のキャリアについて問われたフェルスタッペンは、率直に言い切った。

「正直、難しい質問だ。だけど、僕は間違いなく“終わりに近い”。それは確かだ。」
さらに現行レギュレーションが、キャリアを長く続けるうえで追い風になっていないとも述べた。
「正直言って、今のレギュレーションはF1でのキャリアを長く続ける助けにはなっていない。そう言える。まあ、どうでもいいけど。」
そして、すでに十分満たされた時間を過ごしてきたという。
「僕はF1でのキャリアにすでに満足している。簡単に手放せるよ。ほかにもやりたいプロジェクトがたくさんある。」

数字がすべてだとされがちな時代にあって、フェルスタッペンは“レガシー競争”そのものを冷めた目で見ている。王座の数や勝利数が、人生の価値を決めるとは思っていない。

「60歳とか70歳になったとき、4回タイトルを獲ったか10回獲ったかなんて、いったい誰が気にする? 人は歳を取る。僕は家族と過ごしたいし、みんながいなくなる前に一緒に時間を過ごしたい。時間が経つほど、そういう実感が強くなってきた。」

2025年に父親になったことも、その感覚を決定的にしたという。レースの外で得られる充実感を、本人は具体的な体験として語った。

「先週は、仲のいい友達と家族、それに姉の彼氏とも一緒にスキーをした。彼らは結婚するんだけど、そういう時間を過ごしていると、『これって最高だな』って思う。数日でも一緒に過ごせるのは素晴らしいし、人生をちゃんと味わえる。」

そして、F1中心の生活を何十年も続けるつもりはないという考えを、さらに踏み込んで表現した。

「年間24回も世界を回って、またタイトルを獲るために狩りを続けるみたいなことを、誰が気にする? 60歳になったときにどうこうなんて、僕は気にしない。4回でも8回でもいい。僕は自分の人生を生きたい。人生は一度きりだし、そのうち25年をレースカーの運転だけに使いたくない。」
「人生を味わいたいし、外にどんなものがあるのかも知りたい。だから、まあ、これからだ。今は少し大げさに聞こえるかもしれないけど、僕はレースのためだけに生き続けたくない。」