ウィリアムズは2月23日、1996年のF1ワールドチャンピオン、デイモン・ヒルを「公式アンバサダー」に任命したと発表した。ヒルがウィリアムズでタイトルを獲得してから30年の節目に合わせた人事で、名門復活を掲げるチームの“過去と未来”をつなぐ役割を担わせる狙いが透ける。
ヒルはウィリアムズでテストドライバーから頭角を現し、通算21勝を挙げた。1994年はアデレードでのマイケル・シューマッハとの一件に象徴される苦い結末を味わい、1996年は雨の鈴鹿で頂点に立った。ウィリアムズの黄金期を体現した存在として、今回の復帰にはノスタルジーだけでなく、再建途上のチームに“勝者のDNA”を注入する意図がある。
今回の起用は、ジェンソン・バトンがアストンマーティンへ移ったことで空いたアンバサダー枠を埋める形だ。ウィリアムズのアンバサダー陣には、1997年王者で元チームメイトのジャック・ビルヌーブ、そしてWシリーズ3度の王者ジェイミー・チャドウィックも名を連ねる。
ヒルは古巣への思いを次のように語った。
「ウィリアムズは僕にとって本当に特別な場所で、キャリアの決定的な瞬間のいくつかがここで起きたんだ。」
「このスポーツの一部でいられて、僕が成し遂げたことを達成できたのは本当に幸運だった。アンバサダーとして戻れるのは大きな名誉だ。チームの歴史を祝福し、レガシーと未来を支える手助けができる機会でもある。」
チーム代表のジェームズ・ボウルズも、今回の人事を「懐古ではなく戦略」だと位置づけた。現在のチーム名「Atlassian Williams F1 Team」のもとで前進するウィリアムズに、勝者の記憶と誇りを結び付けたい考えだ。
「デイモンをアンバサダーとしてAtlassian Williams F1 Teamに迎えられるのは光栄だ。彼ほどこのチームを体現する人物は多くない。」
「デイモンは、我々の歴史で最も成功した時代のひとつで決定的な役割を果たした。ウィリアムズで世界王者となり、その遺産は今もチームを鼓舞し続けている。」
「ジェイミー・チャドウィックとジャック・ビルヌーブが引き続きアンバサダーを務めてくれることも嬉しい。彼らは、ウィリアムズが大切にするものすべて――歴史、門戸を開いて才能を育てる姿勢、そして再び最高峰で戦う野心――を映す強力な布陣だ。」
「前へ進む我々にとって、彼らのような存在がウィリアムズを代表してくれることを心から誇りに思う。」
