キャデラックが2026年のF1参戦に向けてそろえた経験豊富なドライバーラインアップが、早くも精査の対象になっている。セルジオ・ペレスは1年のブランクを経てグリッドに戻るが、復帰戦を迎える前から「同僚のバルテリ・ボッタスに即座に並べるのか」という疑念が渦巻いている。こうした見方を公然と強めたのが、元F1ドライバーのデビッド・クルサードだった。
クルサードはポッドキャスト「Up to Speed」で、キャデラックが“若さ”より“経験”を選んだ判断自体は理にかなっていると述べた。新規参入チームは、大幅な新レギュレーションの下で短期間に戦える体制を整えねばならず、まずは確実に走らせ、運用を学ぶことが優先になるという整理だ。
「彼らが選んだ2人のドライバーに問題があるとは思わない」
「これまでのキャリアで見れば、F1で最速の組み合わせというわけではないが、堅実に任せられる2人だ」
「ルーキーにクルマを壊される必要はない。チーム運用や新レギュレーションなどに慣れていくことが必要だ」
「だから、賢い選択をしたと思う」
ただしクルサードがより厳しい視線を向けたのは「準備の差」だった。ボッタスはメルセデスでリザーブとして組織に残り、シミュレーター作業などで技術進化の流れと接続し続けた。一方のペレスは、本人の選択としてパドックから距離を置いた期間がある。F1はリズムと反復が物を言う競技で、スイッチを切ったものを簡単に入れ直せるのかという問題提起である。
「ボッタスの方が準備ができていると思う。メルセデスの情報を持ってくるし、昨年ずっとメルセデスで働いていて、シミュレーター作業などもしてきたからだ」
「ペレスについては少し心配だ。1年休んで『昼寝(シエスタ)』を満喫したようにも見える」
「覚悟を疑うわけではないが、いったん切ったスイッチを、また入れ直せるのか」
記事は、ペレスが新興チームにとって重要な資金面の支えになり得る点にも触れる。ただしクルサードは、資金が“ガレージ内の勝負”を左右するわけではないと切り分けた。同僚同士の争いは表向きは協調でも、内側では徹底した競争だという現実を語っている。
「2人ともクルマを降りればプロとして振る舞える年齢だ。チーム全体のために働かなければならないことも分かっている」
「だがはっきり言う。彼らにはそれぞれ個別のチームがいる。マネージャーも、フィジオも、周囲で働く全員もそうだ。チームメイトの成功は、あなたの失敗だ」
「チームメイトに勝たなければならない。そして今の時点で並べて考えるなら、単純に“最近まで戦っていた”という事実だけで、ボッタスの方がペレスに勝てる可能性が高いと思う」
