F1の2026年新規定マシンについて、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが改めて厳しい見方を示した。バーレーンでのプレシーズンテストを経て、新時代のグランプリは「管理」が中心になると指摘し、「純粋なF1ではない」と言い切った。
2026年規定は、近年のグラウンドエフェクト重視から大きく舵を切る内容だ。ダウンフォースは抑えられ、タイヤ特性も変わり、電力エネルギーの展開がより前面に出る。効率が合言葉になる一方、フェルスタッペンはその方向性自体に違和感を隠さなかった。
本人はバーレーンでのポッドキャスト番組で、運転感覚の変化を具体的に語った。
「クルマのグリップは少ない。コーナーの立ち上がり加速はずっと速い。しかもクルマ全体のレイアウトが完全に違うんだ。タイヤも違うから、コーナーでの走らせ方がまったく変わる。グリップの出方も少し違って、床(フロア)由来は減る。たぶん少し滑りながら走る場面が増えて、そのうえ立ち上がりではパワーが大きい。グリップが少ない分、扱うのが難しくなる。」
焦点として彼が繰り返したのは「マネジメント」だった。低速コーナーでは全開に踏み込むまでの“待ち”が長くなるという。
「どんなコーナーから立ち上がるかにもよる。低速コーナーだと、全開にできるまで待つ時間が長い。」
さらに、従来のテストで通用していた“身体が覚えた感覚”が通じにくいと述べ、ドライビングそのものを再構築する必要があるとした。
「ここ数年は、プレシーズンでクルマに乗れば“筋肉の記憶”みたいに戻れた。たいてい前年より良いクルマで、すぐに感覚が戻って、あとはテスト項目を延々とこなす一日だった。でも今は、走り方やアプローチを少し考え直す必要がある。」
フェルスタッペンはテスト序盤、この新世代マシンの体験を「フォーミュラEのステロイド版」とも形容していた。バッテリーの回生と放出が、補助要素ではなく“主役”になるという問題意識がにじむ。
2015年のデビュー以降に経験した複数の時代の中で、2026年は好みとして最下位かと問われると、即答した。
「たぶん、いちばん好きじゃない時代になると思う。でもそれは、一年を通して使える言葉が“マネジメント”になると思うからだ。それが正しい言葉だと思う。」
一方で、2026年はレッドブルにとってフォードと組んだ自社製パワーユニットの実戦投入初年度でもある。フェルスタッペンは規定への不満と、開発陣への敬意を切り分けた。
「結局、競争に入ったら、与えられたものでベストを尽くすしかない。同じ条件はみんな同じだ。でも、楽しい時もあれば、そうじゃない時もある。僕にとっては、あまり楽しくない。ただ、今年クルマとエンジンを設計した人たちが、ゼロから始めて、きちんと動くパワーユニットを作り上げたのを見てきたのは、本当にすごいことだった。問題は起きていない。速さが足りるか? それは分からない。待って見るしかない。」
それでも評価は変わらないという。言葉を選びながらも、結論は明確だった。
「正直、素晴らしい人たちと一緒に仕事ができているのは信じられない。だから“いちばん楽しくない”と言うのは、あまり良い言い方じゃないとも思う。でも、クルマに乗ったら、僕はいつだって全力を尽くす。ただ、やっぱりそんなに楽しくない。純粋なF1じゃない。」
