F1プレシーズンテスト(バーレーン)で、フェラーリが投入したSF-26のリアウイング機構がパドックの視線を集めた。従来のDRSのようにフラップが開くのではなく、ウイング全体が大きく回転し、直線で“反転したように見える”動きを示したためだ。
この場面を最前列で目撃したのは、ハースのオリバー・ベアマンだった。ベアマンはルイス・ハミルトン車の直後を走行中、フェラーリの新機構が作動する瞬間を見て、まず破損を疑ったという。
「僕はルイスの後ろにいて、それを見て『やばい、何が起きた?』ってなった。壊れたのかと思った。でも正直、すごく革新的だと思った」
映像は木曜朝に急速に拡散し、各陣営のエンジニアやスタッフが解析に走った。視覚的なインパクトも大きく、他チームの類似案より“動きの大きさ”が目立ったという。
もっとも、評価は速さで決まる。ベアマンは機構の見栄えを認めつつ、実戦での有効性が全てだと強調した。
「見た目もかなりスマートだ。もしコース上で機能するなら、彼らは何かを正しくやったということだ」
一方で、2026年に向けた大幅な技術規則変更の下では、空力と重量の綱引きが一段と厳しくなる。回転機構は抗力低減の余地を示す半面、重量増の代償も伴う。ベアマンはその点を率直に指摘した。
「見た目はクールだけど、重くもなる。たぶん誰もが検討してきたと思う。僕らも含めてだ。でも、そういうものにはいつも妥協がある」
テスト中、フェラーリは後に別仕様のリアウイングへ戻したが、議論は収まらなかった。注目の技術には必ず合法性の視線が向く。そこでFIAのシングルシーター技術責任者ニコラス・トンバジスが見解を示し、現行規則への適合を認めた。
「我々は概ね、抗力を減らす解決策を促してきた。昨年のDRS規則は開き量を制限していたが、今年は自由度を与えるため維持しなかった。そしてフェラーリの解決策は、我々の見立てでは問題ない」
