2026年シーズン開幕を前に、ニコ・ヒュルケンベルグがF1ファンへ強烈な比喩を投げ込んだ。プレシーズンテストが終わっても、実力序列はまだ見えないという主張だ。彼の言葉は遠回しではなかった。メルボルンで全員が本気の予選を走るまで、誰も“真の姿”を見せていないという。

バーレーンでの周回タイムは細部まで分解され、推測が加速している。一方でパドックは、砂と秘密と計算された欺瞞に満ちている。長く準備を進めてきたアウディは、ついに旧ザウバーを「本格的なワークス体制」へと作り替え、銀と赤の新プロジェクトとして2026年に踏み込んだ。だが、その最終的な速さは、まだ輪郭すら定まっていない。

テストでは、チームメイトのガブリエル・ボルトレートが最終日に7番手へ食い込んだ一方、ヒュルケンベルグは最終セッションを15番手で終えた。数字は並んだが、そこに確証はないという。

「確かに、バルセロナから今日の状態まで、僕たちはとても良い進歩をしたと感じている」
「でも今はまだ推測でしかない。メルボルンまで本当のことは分からないと思う。さらに数戦走ってみないと、という部分もある。今の段階では、コース次第でかなり変わり得るからだ。違うサーキットで、パッケージがどう感じるかが変わる」
「だから、予選でみんなが“ズボンを下ろす”まで待つしかない。その時に分かる」

この挑発的な表現が示しているのは、単なる駆け引きだけではない。アウディが直面している難題は、シャシーの刷新にとどまらない。最大の山は、新しいパワーユニットだ。ゼロからエンジンを作るのは過去に多くのメーカーを苦しめてきた難行であり、ヒュルケンベルグ自身も、学習曲線がまだ急であることを隠さない。

「チームは冬の間ずっとハードに取り組んできた。もちろん全領域を押し上げようとしている。パワーユニット側は新規参入で、初めてやることだ。忙しかったし、チャレンジだった」

それでも彼は、土台はできつつあると見ている。ただし、現時点で“勝てる”と断言できる段階ではない。狙うべき現実的な立ち位置として、まずは中団で戦えるかどうかを見据えている。

「僕たちは悪くないと思う。でもあの側面には、まだやることがたくさんあるし、改善の余地も大きい。これから出てくるものも多い」
「だから、まだ序盤だ。今のところ中団のどこかで戦える競争力があるといいと思っている。でも、数週間後にどうなるか見てみよう」