アストンマーティンの2026年プロジェクトが、開幕前から暗い影に覆われた。エンジンサプライヤーのホンダが、バーレーンでのタイミングスクリーンが示していた弱点を公に認めた。2026年用パワーユニットは、性能と信頼性の両面で不足しているという告白だった。
プレシーズン走行6日間で、アストンが記録した周回数は334周にとどまった。全チーム最少だった。序盤から不特定の問題が出て、不可解な「データ異常」が続き、さらに深刻な機械的トラブルへと発展した。
週の中盤にはパワーユニットの故障でAMR26が4時間も止まった。ランス・ストロールは疑いのある技術的トラブルでグラベルに飛び出した。木曜はバッテリー関連の問題で走行が短縮され、金曜は断片的な6周しか走れなかった。状況は「走って確かめる」段階にすら届いていなかった。
性能追求が主目的ではないテストとはいえ、数字は残酷だった。ストロールのベストは1分35秒974で、先頭集団だけでなく新規参戦のキャデラックに対しても大きく遅れた。最速側の基準として示されたフェラーリのベンチマークとは約4秒差だった。シャシーはエイドリアン・ニューウェイ設計のAMR26とはいえ、視線はエンジン側へ一気に集まった。
ホンダ側も、狙い通りに走行距離を積めなかった事実を認めた。現場統括であるホンダのトラックサイド・ジェネラルマネージャー兼チーフエンジニア、折原慎太郎は次のように述べた。
「今週のテストにおける主な目標は、パワーユニットの走行距離を積み上げ、エンジンの信頼性を確認し、データを収集することだった。」
「データの収集自体はうまくいったが、狙っていた累積走行距離には届かなかった。」
さらに折原は、最終盤まで続いた復旧作業と、部品不足が運用計画に影を落としていた点を明かした。
「木曜にパワーユニットの問題を特定し、テスト最終日に向けて解決するために全員で力を合わせてきた。」
「昨夜から今日にかけて、HRCさくら、シルバーストンのAMRTC、そしてバーレーンのクルーが連携して、部品不足も踏まえた限定的な走行プランに取り組んだ。これは協議のうえで合意したものだった。」
締めくくりでも、現状への不満を隠さなかった。拠点間連携を強調しつつも、満足できる状態にないと断言した。
「厳しい1週間だったが、現場で支えてくれたチームと、日本と英国で遠隔対応している全員に感謝したい。」
「総じて、現時点の性能と信頼性には満足していない。しかし、さくら、ミルトンキーンズ、シルバーストンで一緒に解決策を探している。」
