バーレーンでのプレシーズンテストでアストンマーティンが厳しい週を過ごした。新車AMR26は、エイドリアン・ニューウェイの関与を受けた“再出発の象徴”として注目を集めたが、走行初期の印象は祝福より疑念が勝った。

引き金になったのはランス・ストロールの率直な自己評価だった。「ペースから4〜5秒遅れている」という趣旨の発言が一気に空気を変え、野心の物語はダメージコントロールの色合いを強めた。舞台裏では、マシンの直前完成に近いドタバタや、ホンダの新世代パワーユニットに伴う課題も重なったとされる。

そうした視線が集まる中で、フェルナンド・アロンソは“混乱の中の冷静役”に回った。ただし、その落ち着きが本心の楽観なのか、危機を覆う計算された煙幕なのかは、今後の進捗が答えを出すことになる。

チームの実力位置と、相棒の悲観的な見立てについて問われたアロンソは、数字の背景を説明しつつ踏み込みを避けた。

「僕は、ランスがそう言ったのは、バルセロナで僕たちが4.5秒遅れていて、(バーレーンテストの)最初の2日間もだいたい4.5秒か5秒遅れていたからだと思う」
「だから、直近3日間はそういう傾向に見えたんだ」

一方でアロンソは、いまのAMR26が抱える“ばらつき”を、問題であると同時に可能性だとも示唆した。ミスやズレが周回ごとに山ほどあり、走るたびに数字が揺れるという。

「でも、分からない。僕は昨日のラップで4コーナーでコースオフして、その地点からフィニッシュラインまでで0.8秒良くなったんだ」
「いま僕たちが走っている1周1周に、どれだけエラーがあるかを示すための話だ」

アロンソの主張は明確だ。必要なのは“あと0.2秒”の積み上げではなく、未最適化の塊を整えて「秒」を引き出す作業だという。

「いまのAMR26は、1つのセッティングを変えるだけで、0.8秒上下するラップがある」
「だから0.2秒を見つける話じゃない。最適化できれば、秒単位を“解放”できるかもしれない。来週にはもっといい絵が見えるといいね」
「言った通り、僕たちは現実的だ。メルボルンで最速にはならない。僕たちは遅い側、出遅れた状態で始まった。でも正確にどこにいるのかは、推測が難しい」