バーレーンでの3日間テストだけで勢力図を決めるのは無理がある。だがマクラーレン代表アンドレア・ステラは、それでも現時点の手応えとして「誰が先頭にいるか」を推測した。木曜と金曜にかけて各チームがレースシミュレーションを重ねたことで、データは“ビッグ4”が抜け出しつつある構図を示し始めたという。メルセデス、フェラーリ、レッドブル、マクラーレンがその中心だ。

ただし、その上位集団の中で見ると、燃料搭載量が多くタイヤ摩耗が効いてくるロングラン領域では、マクラーレンが旧来のライバルに後れを取っている兆しがあるとステラは見る。信頼性で早々に注目を集めたメルセデス、初のパワーユニットのエネルギー運用で目を引いたレッドブルが話題になった一方で、ステラの目を最も引いたのはメルセデス(ブラックリー)とフェラーリの長距離ペースだった。

「レースペースという観点では、フェラーリのレースペースはかなり競争力があるように見えると確認できる」
「金曜午後のデータを分解すると、ハミルトンがやったシミュレーションがあって、同じ時間帯にアントネッリとオスカー(ピアストリ)の走行もあった。レースシミュレーションでは、アントネッリとハミルトンのほうが僕らより速かったと思う」
「木曜のシャルル(ルクレール)の走行もかなり競争力があって、今日のシミュレーションと同じレベルだったと言える」

一方でステラは、開幕戦メルボルンに向けて早合点する空気に釘も刺した。テストは条件が揃わず、見えるものと見えないものが混ざるからだ。

「テストで見えているものを深読みしすぎないよう、みんなに注意してほしい」
「ただ、競争力という観点での初期の兆しとしては、間違いなくフェラーリとメルセデスをリストの最上位に置けると思う」

2026年の新規則は“50-50”のパワー配分が話題だ。最大限に引き出すために、ドライバーがエネルギー回収を優先してリフト&コーストを増やすなど、感覚に反する運転が必要になる場面もあるという。だがステラは、根本の勝ち筋は変わっていないと強調した。

「パワーユニットを最大限に活用して最速ラップタイムを出すために、運転の観点では直感に反することをしないといけない場面がある」
「予選ではブレーキング前にリフト&コーストをしなければならないこともある。これは彼らがこれまでのキャリアでやってきた走り方とは必ずしも同じではない」
「高速コーナーでも、踏み抜いて曲がり切ろうとするのではなく、少し回収を入れたほうがいい場合がある」

そのうえでステラは、パワーユニットが大きな変数であることを認めつつも、「最速の車」は結局“骨格の良い車”だと言い切った。つまり、シャシーの要求は大きくは変わらず、ダウンフォースと空力効率が勝敗を決めるという考え方だ。

「ただ、これはシャシー要件という点では大きくは変わらない」
「コーナーでできるだけ速く走りたいのだから、できるだけ多くのダウンフォースを生むシャシーが必要だ」
「メルボルンで最速の車は、空力効率が最も高い車になるという事実は変わらない」

マクラーレンはテスト最終日に向けて、課題を持ち帰り、最後の詰めに入る。ステラは締めくくりでも、空力とパワーユニットの両輪が決定打になると整理した。

「メルボルンで最速の車は、最も大きなダウンフォースを持ち、そして当然ながら競争力のあるパワーユニットを持つ車だ」
「だから結局、これは複雑なF1だという話に戻る。でも僕らは慣れていくと思う」