キャデラックF1にとって、既存グリッドと並んで迎えた初の本格的な公開の場は、ラップタイムを追うよりも「参戦準備が整っている」ことを示す時間だった。チーム代表のグレイム・ロウドンは、バーレーンで圧倒されるどころか、むしろ前向きな空気を持ち帰った。
信頼性トラブルや技術的な頭痛の種に大チームが悩まされる一方、キャデラックはグリッドでも落ち着いた運営を見せた。新参者でありながら、3日間を通じて「ベテランのような身のこなし」でF1に取り組んでいることを示したという。
テストで目立ったのは、走行量そのものだった。参戦枠が確定したのは1年前に過ぎないが、キャデラックは連日100周超を安定してこなし、メルセデスやアストンマーティンを上回る走行距離を記録した。だがロウドンが勝利だと見なしたのは、タイミングモニターではなくガレージの空気だった。
「進歩には本当に、本当に満足しているし、問題解決にも満足している」
「それに、チームとして問題を解くやり方が、とても落ち着いた形だった。ガレージにいればそれが見える。ガレージで判断するのは簡単だが、エンジニアリング・ミーティングなどでも同じだった」
この秩序だったプロフェッショナリズムは、キャデラック計画の初期からの特徴だという。ロウドンは、最初にそれを強く感じた場面としてシルバーストンでのシェイクダウンを挙げた。
「実は、チームの特徴として最初に気づいたのは、まずシルバーストンのシェイクダウンだった」
「あの朝ガレージに入ったとき、僕が見たのは、落ち着いていて、整然としていて、仕事を始める準備ができたF1チームだった」
「それが土台にあるなら、本当に、本当に積み上げていける。逆にガレージが大混乱でカオスなら、速く走れることがあっても、いずれ天井にぶつかる」
運営面の成功に加え、シャシー「CA01」は新規参入チームが苦しみがちな脆さをあまり見せなかった。よくある「分かりやすい信頼性問題」や「支配的なハンドリング問題」を避けられたことで、キャデラックはデータ収集と性能の詰めに集中できたという。
「僕らはチームとして野心が大きいと言ってきた。現実的でもあるし、地に足もついているし、この世界がどれほど難しいかも分かっている。だが、ただここに居るために来たわけではない」
「僕らは何かを築きたいし、今はそれがあると感じている。マシンはチームを映している。マシンは積み上げられる良い土台だ。チームも同じく、積み上げられる本当に良い、しっかりした土台だ」
ロウドンは序列については慎重な姿勢を崩さない。ただ、大きな問題が出ていないこと自体が、開幕へ向けた自信になったとも言う。
「もし重大で明白な信頼性問題があったら、それはものすごく大きな懸念になる」
「同じように、支配的なハンドリング問題などがあれば懸念になる。だが僕らには概ねそういうものがない。ここには本当に積み上げられる土台があると感じている」
来月の開幕戦オーストラリアに向け、チームはコストキャップという制約の中で、着実な進化に焦点を当てる構えだ。
「僕らが向き合っているのは、他のチームと同じ物理法則だ」
「僕らはコストキャップの環境にいる。新チームとしてスタートするだけでも、チームとして膨大な努力とエネルギーを費やさなければならなかった」
「それらを吸収して、僕が積み上げられると感じる土台を持てているのは、本当に、本当にポジティブなスタートだ」
