バーレーンで行われたF1の3日間プレシーズンテストは、メルセデスとアンドレア・キミ・アントネッリが最終日のトップタイムを叩き出し、総合でも最速で締めくくられた。ただし、各チームの燃料搭載量やエンジンモード、意図的な“砂袋(実力隠し)”の疑いが付きまとい、パドックには「答えより疑問が増えた」という空気が残った。
最終日は午前の時点でジョージ・ラッセルが基準となるタイムを置き、午後に入ってもしばらくはそのまま主役だった。一方でアントネッリは、序盤に目立つアタックがなく、短時間ながら技術的な問題を疑う声も出た。しかしメルセデス側は計画通りだと強調し、アントネッリが走り出すと状況は一変した。
アントネッリはコースイン直後から上位に割って入り、立て続けのタイム更新で最終的にラッセルを上回った。その一撃は最終日最速にとどまらず、3日間を通じた全体最速ラップにもなり、メルセデスが開幕戦へ向けて最大の見出しを持ち帰る結果となった。
ただし終盤は、パフォーマンス合戦というより“段取り”が主役になった。残り10分あまりのところでルイス・ハミルトンのフェラーリがコース上で停止し、車両は回収されたものの、オフィシャルはシステムチェックを優先したため、実質的に走行は早めに収束した。
また、この日はスタート練習でも緊張感があった。数名が発進に手間取り、ストールや中断が相次いだ。フランコ・コラピントは接触寸前の場面もあり、アンチストールの介入が事態を止めたという。
ラップ数ではマクラーレンのオスカー・ピアストリが大量周回をこなし、派手さより安定感を示した。レッドブルのマックス・フェルスタッペンも5番手に入り、上位から中団までが詰まった形でテストは終わった。だが、ここまでの時計だけで勢力図を断定するのは危うい。序列が本当に姿を現すのはメルボルンの予選であり、その瞬間に燃料、モード、思惑が剥がれ落ちることになる。
1. A・K・アントネッリ(MER)1:33.669
2. G・ラッセル(MER)1:33.918 +0.249
3. L・ハミルトン(FER)1:34.209 +0.540
4. O・ピアストリ(MCL)1:34.549 +0.880
5. M・フェルスタッペン(RBR)1:35.341 +1.672
6. I・ハジャー(RBR)1:35.610 +1.941
7. E・オコン(HAA)1:35.753 +2.084
8. F・コラピント(ALP)1:35.806 +2.137
9. O・ベアマン(HAA)1:35.972 +2.303
10. N・ヒュルケンベルグ(SAU)1:36.291 +2.622
