F1の2026年レギュレーション改革は、ここ数十年で最も大きな変化の一つだ。現行の大型グラウンドエフェクト車は退き、より小型・軽量の車体にアクティブエアロを組み込み、パワーは電動と内燃が50/50という大胆な設計思想へ向かう。紙の上では技術的な飛躍だが、コース上の感触は一枚岩ではない。

その空気に一石を投じたのが、マクラーレンの新世代マシンMCL40を走らせたランド・ノリスの率直な言葉だった。2026年型のシェイクダウンが先週バルセロナで行われ、ウィリアムズを除くほぼ全チームが参加した。新ルールがステアリング操作、ブレーキングポイント、そしてドライバーの直感にどう現れるかを、実走で確かめる最初の機会になった。

「確かに、どう運転しなきゃいけないかという点で、ある意味ではF2カーみたいに感じるんだ」

この比較はパドックに波紋を広げた。F2は俊敏でアグレッシブだが、F1が伝統的に持ってきた“苛烈さ”や“精密さ”とは階層が異なる。ノリス自身も、それが良いのか悪いのかを断じてはいない。

「今のところ、それを僕が好きかどうか分からない。でも、バルセロナで僕たちは、どうやってこのクルマを運転しなきゃいけないかについて、かなり多くのことをもう理解できたと思う。ただ、バルセロナって言うと、4速コーナー、3速コーナーで、かなりオープンで、かなり広いんだ」

「それに、ストリートコースとか、もっとバンピーなコース、遅いコースに行った時にどうなるかは、まだ答えが出ていない問題なんだ」

2026年規則を巡っては、電動比率の増加や、エネルギーマネジメントのために予選でもリフト&コーストが必要になるのではないか、という不安もくすぶる。ノリスは警鐘を鳴らす口調ではないが、現時点で答えが揃っていない現実を認めた。次の評価軸として、より特性が出やすいバーレーンを挙げる。

「それに、バーレーンがそういう疑問のいくつかに答えてくれるはずだ。学習曲線になるよ」

一方で、本人の自己評価とチームへの信頼は揺らいでいない。楽観ではなく、未知を前提にした確信として語った。

「でも、僕は自分自身に強い自信があるし、チームにも強い自信がある。ただ、僕たちにとっても、グリッドの全員にとっても、学習曲線になると思う」