クリスチャン・ホーナーが、F1への復帰意欲を公の場で初めて語った。狙いは単なるチーム代表職ではない。「雇われ」ではなく、パートナーとして関与する形を望むという立場を明確にした。
発言の場は、日曜日にEuropean Motor Showを訪れた際のミニスピーチだった。ここ数日では、FIA本部があるパリを訪問し、FIA会長と面会したことに続く、公の動きだった。
退任後も、同氏の周辺は動いている。先週には、コンソーシアムの一員として、株式取得をめぐる協議に関わっていると確認された。対象は、アルピーヌF1チームを保有する会社の持分とされ、昨年から持分売却の可能性が取り沙汰されてきた。
一方で、アルピーヌF1チーム側は、同氏とチーム、あるいはフラビオ・ブリアトーレとの間に「直接の接触はない」と説明した。本人も具体的なチーム名には触れず、メディアが「グリッドの全員と結びつけている」と皮肉交じりに語った。過去にはフェラーリ、その後はアストン・マーティンやアルピーヌとの噂が続いてきたが、本人の条件は単純だ。勝てること、そして関与の形がパートナーであることだ。
本人のコメントは次の通り。
「F1には、まだやり残したことがある気がしている。終わり方が、僕が望んでいた形ではなかった。でも、何でもいいから戻るつもりはない。勝てるもののためにしか戻らない。やることがないなら、パドックに戻りたくない。このスポーツが恋しい。人が恋しい。僕が築いたチームが恋しい」
「僕はF1で21年間、信じられない時間を過ごした。素晴らしい走りで、多くのレースと選手権を勝ち、素晴らしいドライバー、エンジニア、パートナーと仕事をした。僕は戻る必要はない。今ここでキャリアを止めることもできる。だからこそ、戻るのは正しい機会のときだけだ。素晴らしい人たちと働き、勝ちたい人たちがいる環境で、その欲求を共有できる場だけだ」
「僕は、ただ雇われるだけではなく、パートナーになりたい。どう転ぶかは見ていこう。僕は急いでいない。何かを無理にやる必要もない。面白いのは、レッドブルを離れてから、実際に誰かと話したのが今回が初めてだという点だ。メディアでは、僕は全チームに行っていることになっている。後方から中団、そして前方まで、全部だ。みんなが『僕は何をするのか、どこに行くのか』と知りたがっている空気がある。現実には、春まではどうせ何もできない。いろいろなチームと結びつけられ続けるのは、とても光栄なことだ」
さらに、トト・ウォルフとの関係についても問われ、ネットフリックスの番組「Drive to Survive」での描かれ方を踏まえつつ、関係性を冷静に言語化した。
「多くの人が、彼とのライバル関係を大げさに受け止めた。僕は彼をとても尊敬している。彼は途方もなく成功してきたし、多くを勝ち取ってきた。とても頭がいい。僕らはただ違う人間だ。同じように競争心が強いが、ただ違う。スポーツは、みんなが仲良くして愛し合っていたら退屈だ。本当の関心を生むライバル関係が必要だ。最悪なのは、みんなが“いい子”で、馴れ合いになることだ」
