バルセロナでアストンマーティンの新車AMR26が、ようやく本格的に走り出した。最終日の主役はアロンソだった。冬を越えての最初の一日に61周を積み上げ、本人はクルマの反応に確かな手応えを口にした。
AMR26の初走行は前日木曜、ランス・ストロールがステアリングを握って行われたが、短時間で切り上げる形になった。新しい技術体制のもとで準備は整っているのか。そうした視線も集まる滑り出しだった。
背景にあるのは変化の大きさだ。アストンは新たにホンダとのパワーユニット提携に適応しつつ、長年依存してきたメルセデス製ではなく、自前のギアボックス開発にも踏み込んだ。制約は増えるが、その分だけサスペンションやシャシー配置を“過去のしがらみなし”で最適化できる余地も生まれる、というのがチームの狙いだ。
そして金曜、初めて意味のある走行評価を担ったのがアロンソだった。走行後、スペイン人ベテランは率直に言い切った。
「良かったよ。冬を越えてまたクルマに戻れたのは間違いなくワクワクするし、僕らにとってはこれが初日なんだ。1月の初めに撮影日をシェイクダウンとして走らせたチームもいるし、ここバルセロナでも一週間ずっと走っているチームがいる。でも僕らは本当に、今日が“最初の一日”だった。だから今日は前向きな一日だったと思う。60周以上走れて、クルマの反応もいい。初日としては上々で、これからまだやることはある」
ガレージでの視線の中心にはエイドリアン・ニューウェイの存在もあった。細部まで目を配る仕事ぶりが、メカニックやドライバーの空気を変えているという。アロンソはその熱量を、現場の“顔つき”として描写した。
「ガレージにいて、あらゆる細部に気を配っている彼を見ると、みんな本当にモチベーションが上がると思う。メカニックの表情も、みんな彼を見ている。クルマについて彼が何かコメントしたのか、どこを良くしたいのか、何かを見つけようとしているんだ。彼はいつも、僕らに何かを教えてくれる」
