ハースF1代表の小松礼雄が、F1 2026シーズン開幕までの“マシン進化”は例年より激しくなると見通した。バルセロナで行われる最初のプレシーズンテストで走る車両と、開幕戦オーストラリアGPでグリッドに並ぶ車両は、同じ仕様にはならないという。
F1 2026はレギュレーション変更の規模が大きい。V6ハイブリッドシステムが刷新され、チームは新パッケージ全体を短期間でまとめ上げる必要がある。FIAとF1はその負荷を踏まえ、異例の3回に分けたプレシーズンテストを設定した。最初のバルセロナは“シェイクダウン”に近い位置づけで、舞台裏で実施され、映像などの公開は行われない見込みだ。続くバーレーンでの2回は部分的に中継される予定で、段階的に外へ情報が出ていく構図になる。
小松は、バルセロナからバーレーン、そして開幕戦までの間に、ほぼ全チームで外観も中身も変わっていくと語った。
「バルセロナでみんなが見る車は、オーストラリアでレースをする車ではないと思う。これは全チーム共通だ。単純に早すぎるからだ。最初のレースの2週間前にテストがあるのとは違う。最初のレースまで1カ月以上あるなら、チームは風洞開発を止めない。」
「だから、バルセロナで走る車も、バーレーン1週目の車も、開幕戦に向けてオーストラリアで仕上がる車より成熟度が低いはずだ。」
見どころは空力パッケージの変化になる可能性が高い。パワーユニットの“ハード”は概ね固まる一方、時間をかけて積み上げられるのが空力だからだ。
「バルセロナのシェイクダウン週から、最後のバーレーンテストまでの間に、グリッド全体でかなり違う車が見られるはずだ。焦点は空力パッケージになる。PU側はハードウェアがほぼ決まっているからだ。」
ただし、新時代の核心は“パワーユニットをどう使うか”にあると小松は言い切る。特にエネルギーの使い方をどう最適化するかが、序盤の勝負を分けるテーマになる。
「我々がそのPUをどう使うか、それが一番大きい。」
「バルセロナでは、みんながエネルギーの使い方をどう最適化するかに集中する。その開発は、全員にとってとても速いスピードで進める必要がある。」
小松の発言は、ハースが2026年用のカラーリングを公開した直後に出た。公開時に登場したのはベース仕様のVF-26で、例年通り実車の前にレンダリングを先行させる手法も採った。だが、その裏では2026年に向けた準備がチームにとって大仕事になっている。
ハースにとって今回の大改定は特別だ。2016年のF1参戦開始以来、これほど大きな技術規則変更に“チームとして初めて”真正面から備えることになる。2022年の変更もあったが、今回ほどではないという認識だ。そして小松は、規模の小さなハースほど、この局面が厳しくなると率直に語った。
「そうだと思う。特に我々の規模だとそうだ。」
「新しいレギュレーションは、財務面でも資源面でも厳しい。みんなが知っている通り、我々は今も一番小さいチームだ。ものすごい挑戦だ。チーム代表としての責任も大きい。この巨大な変更に取り組めるよう、チームが装備されている状態にする必要がある。」
「どんなチームでも、たとえ最大手でも、これに完全に備えられているとは言わないと思う。」
「ただ僕たちは、挑戦がさらに大きい。持っているもの、得意なことに集中し、弱点を認識しつつ強みを生かし、学び続けないといけない。」
「新しいレギュレーションでは、かなり速く学ばないといけない。」
「みんなが走り出したら、確実にサプライズがある。大事なのは団結して、反応して、できるだけ速く適応することだ。」
