ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは、F1が大規模なレギュレーション変更を迎える2026年を「リセットの機会」だと捉えている。カルロス・サインツが“不確実さ”を警戒する一方で、アルボンは上位勢と同じスタートラインに戻ること自体が、伸びしろのあるチームにとっては追い風になり得ると見ている。

サインツは、2025年に加入した時点ではマシン設計に関与できなかった背景を踏まえ、2026年は「ドライバーが最初から設計思想に影響を与えられる」重要な年になると語った。ただし、全面リセットの年は当たり外れが極端になり得るとして、期待値を意図的に上げない姿勢も明確にしている。

「まず何より、2026年に向けてマシン設計やセットアップ哲学、そしてマシンが進む方向性に影響を与えられるのが待ちきれない。僕たちがコースに持ち込むベースラインの時点から、ドライバーがもっと快適に、もっと自然に感じられるようにできるはずだ」
「その面では前進できると思う。ただシーズンが始まったら、(メルセデスと組む)パワーユニットのソフト開発で、ドライバーがより影響を持つことになる。パワーユニットは巨大な要素になるし、僕とアレックスという経験ある2人がそこを助けられるかもしれない」
「でもセットアップ開発に関しては、2025年にやってきたことを続けるだけだ。プレシーズンテスト前、コースに出す前の効果と、シーズン中にどうやってマシンを速くするか、その両方だ」
「2026年は規則が大きく変わる。だから期待を大きく変えるつもりはない。新しい規則が、僕に“前進できる”という強い確信を与えてくれるわけではない」
「もし規則が安定していたなら、2025年に何戦かでポールやレースペースから0.2〜0.4秒差まで来ていたし、弱点も明確で、改善する能力も見えていた。あと2〜3年、段階的に積み上げてトップに近づけるという自信は、もっと持てただろう」
「でも新しい規則は全員にとっての大リセットだ。エンジニアにとっても、僕にとってもだ。うまくやれば2026年にすごく良いマシンを作れる一方で、簡単に外してしまうこともある。別のチームが抜け道や、想像もしなかった方向性を見つけていたら、そこからやり直しになる」
「だから2026年は、期待値について超集中して、落ち着いている必要がある」

一方のアルボンは、ドライビング面では“難しさ”が増すと認めつつも、そこに機会があると強調した。特に、現行規則下で優位にいるチームほど変更を歓迎しにくいが、ウィリアムズのように上位文化へ作り替えている途中のチームにとっては「同じ土俵に戻る瞬間」が価値を持つという見立てだ。

「“改善”は幅が広い言葉だ。ドライビングの側面で言えば、難しくなると思う。純粋な運転の楽しさという意味ではそうでもないかもしれないが、より複雑で、マシンへのアプローチは少し型破りになると思う」
「でも、そこには機会もあるし、とてもチャレンジングになる。来年、マシンが本当にどう感じるのか、どういう結末になるのかは、誰も本当には分からない。でもそこにチャンスがある」
「マクラーレンみたいなチームにとって、このルール変更は望ましいものではないのは明らかだ。でも僕たちみたいに、正しい環境や文化を作ってトップチームに近づこうとしているチームにとって、このリセットはチャンスだ。僕たちにとっては、他のチーム以上にワクワクする部分がある」

ただ、その“チャンス”には代償もある。アルボンが問題視するのは、2025年の終盤から2026年の立ち上げまでの休息期間の短さだ。シーズンオフが短すぎれば、開発と準備の消耗戦になり、戦い方そのものに戦術性が要るという。

「その気になれば残酷だ。でも僕は十分だとは思わない。僕は休みが7日しかなかったと思う」
「僕たちは12月中旬に終わって、少し仕事をして、クリスマスパーティーみたいなこともあって、それから工場に行った。その後7日休んで戻ってきて、家族とクリスマスを過ごした。そして12月27日からトレーニングキャンプを始めた」
「1月5日には、1月の間は工場に戻っていた。休む時間はほとんどない。2026年はエネルギーマネジメントがすごく重要になる。チームは“どう一年に入るか”を本当に尊重しないといけない。テストも忙しいし、短いターンアラウンドで、とにかくタフになる」

この「短いターンアラウンド」という現実は、すでにウィリアムズの準備にも影を落としている。チームはバルセロナで予定されていたシェイクダウンへの不参加を正式に決め、代わりにVTT(Virtual Track Testing)を含むテストを行い、バーレーンでの公式テストと開幕戦オーストラリアに備える方針を示した。

「Atlassian Williams F1 Teamは、最大限のマシン性能を追求し続ける中でFW48プログラムに遅れが生じたため、来週バルセロナで行われるシェイクダウンテストに参加しない決定を下した」
「チームは代わりに、来週2026年車でVTTプログラムを含む一連のテストを実施し、バーレーンでの最初の公式テストと、メルボルンでの開幕戦に備える。今後数週間で走行を開始するのを楽しみにしている。引き続き支えてくれるファンに感謝する。2026年には一緒に楽しみにできることがたくさんある」