2025年のF1世界王者マクラーレンが、2026年型マシン「MCL40」のレンダリング画像を公開した。バルセロナでのテスト用に用意された、黒とシルバーのリバリーだ。
マクラーレンが両タイトル防衛の希望を託すMCL40は、各チームがF1の新レギュレーションを現場で検証し始めるカタルーニャ・サーキットで走り出す。2026年の“大胆なリセット”は、栄光の貯金を許さない舞台だ。
2025年、マクラーレンは「パパイヤ(オレンジ)」の勢いのままシンガポールで早々にコンストラクターズ王座を決め、ランド・ノリスがアブダビでドライバーズ王座をつかみ取った。しかし新ルールの下で、過去の勝利が何かを保証してくれるわけではない。
テスト任務のため黒とシルバーで披露されたMCL40は、完成形というより作業中のプロトタイプだ。マクラーレンは本番用リバリーをバーレーンテストに近い時期に公開する予定だが、バルセロナ仕様の塗装だけでも技術的な論点は見えてくる。
フロントは、明確に“垂れ下がった”ノーズ形状が特徴だ。サイドポッドは側面に沿って急角度で立ち上がり、攻めた空力マネジメントを示唆する。そして機械的にも大きな変化がある。マクラーレンは2026年の大改定に合わせ、フロントサスペンションをプッシュロッド方式へ戻した。
見た目の変化としては、新たなタイトルスポンサー「Mastercard」のロゴがテスト用リバリーでより目立つ形になった点もある。
だが真に重いのは、表層の色やロゴではない。チーム代表アンドレア・ステラは、このプロジェクトを自身のキャリアでも屈指の過酷さだと語った。
「2026年のマシンの設計、具現化、製作の裏側には、とてつもない作業量がある」
「私の記憶でも前例がほぼない。変化そのものが大きいだけではない。シャシー、パワーユニット、タイヤが同時に、しかもここまで大規模に変わるなんて、これまでなかったと思う」
「それに、過去20カ月で起きた“再設計”の物量が桁違いだ。マクラーレンにおける設計として、おそらく最大級だったし、新車プロジェクトとして我々が関わった中でも最大級だった」
紙の上では最有力と見られようとも、ステラは「2026年はリセットだ」と強調した。マクラーレンも、他の全員も同じだという。
「これだけの変化があれば、マシンがどう走るのか、競争力の序列がどう入れ替わるのかが本当に興味深い」
「我々はチャンピオンだが、“チャンピオンであること”を2026年に持ち込めるわけではない」
「全員がスターティングブロックから始める。全員がゼロからだ」
その哲学はテスト運用にも表れている。バルセロナは5日間の枠がある一方、各チームが走れるのは3日に制限される。マクラーレンはさらに初日を走らない選択をした。

ステラによれば、それはMCL40計画がいかに野心的だったかの裏返しだ。シェイクダウンを可能な限り遅いタイミングで実施する判断だったという。
「我々の内部の合言葉は、何かを達成するなら、それは“ふさわしい結果”として勝ち取らなければならない、ということだ。地に足をつけて稼ぐ。これが僕たちの考え方で、哲学だ」
「同時に、2026年のマシンは野心的にやっている。再設計のレベルがそれほど大きいからだ」
「だからこそ慎重さも必要になる。ちゃんと“マシンが存在する”こと、間に合うこと、作り上げることを確実にしなければならない」
「ここまでは計画通りに進んでいる。我々はそれをうれしく思っているし、2026年のマシンを形にしてくれたチーム全員に感謝を伝えたい」

