バルテリ・ボッタスは月曜日、キャデラックの真新しいF1マシンから降りると、バルセロナでの走行初日が何をもたらす日なのかを最初から理解していた。

見出しやラップタイム、早すぎる優劣の誇示が目的ではなかった。本人が言うところの「デバッグ」を進める日であり、その作業をしているのは新チームだけではない、とボッタスは確信していた。

カタルーニャ・サーキットでの非公開テストの舞台裏で、F1は大きく様変わりする2026年規則を、初めて本格的にコース上で探り始めた。公式タイムは公表されず、警備も厳重だった。初日の物語は、結局コクピットの中にいた者の言葉で語られるしかない。そこでボッタスが放ったメッセージは明確だった。新しい世界は、まだ誰も解き切れていない。

セルジオ・ペレスとともにキャデラックのデビュー戦線を率いるボッタスにとって、序盤はマシンの未知だけでなく、コンディションも重くのしかかった。

「寒かった。朝イチはここだとタイヤを機能させるのがかなり難しいのは分かっているけど、気温が上がるにつれて少し良くなった。ただ、今日は一日を通していくつか問題が出た」

苛立ちはすぐに、テストの本質へと置き換えられた。より軽く小さくなる車体、そして電動デプロイの比重が大きくなる新パワーユニット。新時代の立ち上げは、問題を見つけて潰すことから始まる。ボッタスはそこを強調した。

「これはデバッグだ。だから僕らはここにいる。どのチームも何かしら問題を抱えていたように見える。今はそれを本当に突き止めて、毎日少しずつでも走行量を増やしていく段階だ。でも、ここにいられて、こうしてマシンに乗れているのは最高だ」

初日は7チームが走行し、新シャシーの考え方、未知のシステム、そして“本気の負荷”で回す初日のPUに、それぞれが同時に向き合っていた。

ウィリアムズ、メルセデス、ザウバーで複数の規則周期を経験してきたボッタスにとっても、今回のリセットはとりわけ大きい部類だ。

「間違いなく、これまでとは大きく違う。マシンの挙動が違うし、特に高速コーナーではダウンフォースが少し減っている」

ただし2026年規則が本当に牙をむくのは、内燃機関と電動パワーの付き合い方だ。経験豊富なドライバーでさえ“学生”に戻る領域だという。

「PUはコーナー立ち上がりのトルクがずっと大きい。でも一方でバッテリー管理が必要になる。しかも(キャデラックにPUを供給する)フェラーリにとっても、これは彼らのパワーユニットでの初めての本格走行日だ。だから当然、学習曲線はある」

キャデラックにとって、その曲線はさらに急だ。F1の新規参入として、プロセスから部品に至るまで、すべてが“初めての検証”になる。開幕のオーストラリアGPは3月上旬に迫っている。とはいえボッタスは、困難は新チーム固有のものではない、と線を引いた。

「だから、まだ学ぶことも改善点も多い。ただ、どのチームにとってもかなりの挑戦だ。いまの優先順位は、とにかく毎日もっと周回を重ねることだ」

月曜日にボッタスが気にした数字は、ラップタイムではなく周回数だった。それでも、本人は控えめに認めている。

「今日の周回は30周ちょっとだったと思う。いくつかはインストール(確認走行)みたいなものだった。でも、ちゃんとした走行を増やして、走行距離を稼いで、レースに向けて信頼性のあるパッケージにしないといけない」