アルピーヌ・レーシングは、MSCクルーズのMSCワールド・エウローパ船上でローンチイベントを実施し、2026年F1マシンと新リバリーを公開した。これはメルセデスとの新たなパートナーシップの船出を告げる場にもなった。
ルノーのパワーユニット部門を手放し、自社でF1エンジンを開発する道を断ったアルピーヌは、複数の候補と交渉を重ねた末にメルセデスと契約を締結した。フランスのメーカーは、マクラーレンのようにカスタマーとして戦うルートを選んだ形だ。
社内からの反発もあったが、アルピーヌは最終的に決断を固め、2026年からメルセデスとともに新たな旅を始める。数日前には雨のシルバーストンでフィルミング走行も実施し、スペインで開催された船上イベントで新シーズンに向けたリバリーを披露した。
カラーリングは、BWTのピンクを維持しつつ、アルピーヌのコーポレートブルーも残された。ドライバー体制も同様に“継続と変化”が同居する。ピエール・ガスリーとフランコ・コラピントが残留する一方、ジャック・ドゥーハンは放出となった。オーストラリア人ドライバーは2025年に復帰の座をつかめず、日本でレース活動を行う見通しだ。
2025年に痛みを伴う選択を重ねたアルピーヌは、2026年に巻き返しを狙う。目標はミッドフィールド上位、そして集団の前半へ食い込むことだ。チームを率いるフラビオ・ブリアトーレは、新章の始まりを強調した。

「今日はBWTアルピーヌF1チームにとって新章の始まりだ。バルセロナで、パートナーのMSCクルーズとともにMSCワールド・エウローパ船上でシーズンを始められるのは大きな喜びだ。新しい技術規則によって、F1史において間違いなく特別なシーズンになる。とりわけ僕らにとっては、白紙の状態から取り組める規則であり、過去より競争力を高める大きな機会でもある」
「この数カ月、エンストン工場ではA526の設計と製作に向けて休みのない日々が続いた。今季からメルセデスAMGが新パワーユニットとギアボックスを供給する。僕らはこのパートナーシップに本当に興奮している。この場でリバリーを披露できるだけでも素晴らしいのに、タイトルパートナーのBWT、ホスト役のMSCクルーズ、プレミアムパートナーのエニを含め、多くのパートナーが集ってくれた。本当に感謝している。新しいパートナーも、これまでのパートナーも、昨年コース上で困難があったにもかかわらずチームにコミットしてくれたことに、心から礼を言いたい」
ドライバー側も、未知の領域へ踏み出す緊張と高揚が入り混じる。ガスリーは、キャリアでも例のない大変革だと語った。

「僕のキャリアで初めて、クルマ全体がここまで大きく変わった。もちろん誰もが未知の領域に入るけど、ドライバーとしてはそれがすごくワクワクする。この地点にたどり着くまで、チームにとって長い道のりだった。この新規則に備えて、ここ1年ずっとシミュレーターで作業してきたし、エンストンのみんなが最高のパッケージを作るためにものすごく努力してきたのを知っている」
「来週のシェイクダウンから始まるシーズン序盤の数週間で見えるものは興味深いはずだ。でも、これは最終形ではない。走るたびに学び続けて、パッケージ全体を開発していくことになる。僕は期待値を設定していない。チームと一緒に改善点を理解し、毎日懸命に取り組むだけだ。日々を積み重ねて、年間を通してできる限り競争力を高めたい。もちろんワクワクしているし前向きでもある。でも、目標は現実的に見ている。今の僕の気持ちは、A526の準備でチームがすべてのマイルストーンを達成してきたことへの大きな誇りだ」
コラピントもまた、新時代に備える“整った冬”を手にしたことが大きいと話す。
「まず、本当に興奮している。僕のキャリアで初めて、テストから開幕戦までフル参戦の年に向けて、ちゃんとしたオフシーズンを過ごせた。これは僕にとってすごく重要だ。プロジェクトの一部として強く実感できるし、最初からチームのみんなと一緒に本気で取り組める。クルマを見て、シミュレーターでも準備を進める時間がしっかり取れた。もちろん、これまで経験してきたものとはまったく違うし、それはグリッドの多くのドライバーも同じだと思う」
「パッケージから最大限を引き出すために、新しいコツや新しい課題を学ばないといけない。でも、それが本当に素晴らしい挑戦だと思っている。チームのみんなが良いシーズンに向けて強いモチベーションを持っているのも分かっている。僕は序盤のレースでできるだけ学び、積み上げ、成長していきたい。それがチームとしての競争力につながっていけばいいと思っている」
アルピーヌは体制面でも、2026年に向けた布陣を明確にした。ポール・アロンは2026年もリザーブドライバーを継続し、クッシュ・マイニはリザーブ兼アカデミードライバーとして役割を続けつつ、F2に参戦する。
「このF1の新時代の一員になれることが本当に楽しみだし、できる限り多くを学びたい」
「リザーブドライバーとしては、新しいシステムを素早く理解し、シミュレーターに多くの時間を費やして、チームの開発を加速させることが重要になる。そのチャンスにワクワクしているし、シーズン開幕が待ちきれない」

