F1が数十年で最も過激なレギュレーション変更に踏み出そうとしている。ハースのエステバン・オコンは、同業のドライバーたちに向けて、冷ややかな警告を放った。刷新されたハイブリッドエンジンは、ただクルマを変えるだけではない。ドライバーに「カート時代から“速く走るために学んできたこと”を全部忘れさせる」ほどの衝撃をもたらす、という。
アクティブエアロの導入、電動比率の増大、そして再構成されたV6ターボ・ハイブリッド。2026年規定は、ドライバーが積み上げてきた“常識”そのものを試す舞台になる。
ハースのVF-26をシミュレーターで走らせたオコンは、速さの解錠はパワーだけではないと言う。必要なのは、思考のリブートだ。
「すごく独特な運転の仕方になる。エンジン側、ハイブリッド側のマネジメントがずっと増えるはずだ」
ハースが2026年マシンとリバリーを公開した場で、オコンはそう説明した。
「クルマ自体の感触はかなり良かった。バランスも悪くない。もちろんシミュレーターでの“最初の一口”だから、現実でどうなるかは見ないといけない。でもグリップのレベルは良かった」
「明らかに最大の変化はパワーユニット側だ。そこが、僕らが準備しておくべき最大のカギになる。ワクワクする挑戦だし、これまでとは違う運転の仕方になる」
「僕は、カート時代から“速く走るために学んできたこと”は全部忘れられると思う。でも新しい運転スタイルを学ぶのは面白いし、そこから速さを見つけられたら最高だ」
オコンにとって、この種の適応は完全な未知ではない。彼が初めてF1カーをテストしたのは2012年。まだV8がグリッドを支配していた時代だ。その後、ハイブリッドへの転換を経験してきた。つまり“ルールが変わり、走り方が変わる瞬間”を、彼は一度くぐっている。
「これは間違いなく、僕が直面した中で最大の規則改定だ」
「僕が初めてF1カーを運転したのはV8時代だった。その後ハイブリッドになって、当時はバレンシアで1日だけ走って、アブダビでFP1に出た」
「たぶん、今回僕らが直面する変化も、それに近い。でも言った通り、僕らは“これまで起きたこと全部”を忘れないといけない」
「僕らはもう一度、全部を新しく学び直さないといけない。経験は素早く適応する助けにはなると思うけど、とにかく“全部”を適応し直す必要がある」
「僕らの感覚すべてが変わる。どう感じるか、運転しながら何をすべきか。より速く走るために、走行中にもっと考えなきゃいけなくなる。楽しみだし、すごく興味深いものになる」
オコンは、2026年が予測不能な年になるとも見ている。開発競争が一気に加速すれば、勢力図はレースごとに塗り替わりうる。
「3戦目か4戦目には、ある程度の手がかりは出ると思う。でもそれが最終的な序列にはならない。特に初年度は開発がものすごく進むはずだから」
「序盤から取れるポイントは全部取る価値があるのは確かだ。でも仮に僕らが思う位置にいなくても、シーズン中盤には“拾えるもの”が出てくる。多くのチームがアップデートを持ち込むからだ」
