F1が2026年に大規模なレギュレーション刷新を控える中、ミルトンキーンズのレッドブルチームは自前で開発したパワーユニットで戦うという史上最大級の挑戦を始めている。

デトロイトで行われたシーズンローンチの場で、メキースは早々に空気を決めた。これは慎重さや安堵を求める局面ではない。必要なのは、確信と忍耐、そして折れない強さだという立場だった。

姉妹チームのレーシングブルズと同時に公開された新リバリーには、象徴的な意味が乗った。

フォードの歴史的拠点であるデトロイトは、新時代の土台となる「レッドブル・フォード・パワートレインズ」を世に示す舞台となった。新ルールが到来した際、その基盤が両チームを支える。

メキースにとって、タイミングも課題の規模も、これ以上ないほど大きい。

「我々はF1にとって際立った瞬間に入っていく。F1史上最大のレギュレーション変更になる」
「だが、それだけでは足りなかった。我々は、戦略パートナーのフォードの信じられないほどの支援を受けながら、パワーユニットを自分たちでやると決めた。フォードは本当に初期の段階から我々と一緒にいる」
「狂気じみた挑戦だ。たぶんレッドブルとフォードのような会社だけが決断できる挑戦だが、それが我々の存在理由だ。この一年は挑戦だらけになる。でも根本的には、それこそが我々を結びつけているものだ」

「レッドブル・フォード・パワートレインズ」の初年度で、成功とは何か。そう問われたメキースの答えは率直だった。最初から支配することが目標ではない。まずは耐え、学び、前に進むことだという考えだ。

「ゼロから始めて、すべてを作り上げるという挑戦の大きさを散々話してきた。そのうえで初年度、最初のレースに行って、何年もやってきた競争相手と最初から同じレベルにいるはずだと考えるのは、ナイーブだ」
「我々はナイーブではない。相当な苦労、相当な頭痛、眠れない夜が待っていると分かっている。だが、まさにそれが我々のやる理由だ」
「我々は、素晴らしい人材の集団と、素晴らしいパートナーの集団を作り上げたという自信がある。我々はその苦闘を乗り越えていく」
「そして最終的には、我々は勝ち抜く。最初の数カ月は耐えてほしい。その最初の困難は、最終的に頂点に立つまでに我々がどれほどの道のりを通ってきたかを思い出させる、いい“記憶”になるはずだ」

ローンチでは、もう一つ象徴的な発表もあった。新マニュファクチャラーが初めて生み出すパワーユニットは「DM01」と名付けられる。2022年に亡くなった創業者ディートリッヒ・マテシッツへの献辞だ。

「彼のビジョン、彼の大胆さ、それがレッドブル・スピリットだ。彼がいるからこそ、我々は今日ここにいる」
「当時、シャシーとパワーユニットの両方で完全に独立する道へ我々を乗せるという、とてつもない決断を彼は下した。挑戦の規模に尻込みしなかった。だから今日、我々は彼に敬意を捧げる機会を得た。そして願わくば、彼を誇らしい気持ちにしたい」