キャデラックは、2026年のF1参戦に向けて周冠宇をリザーブドライバーに指名したと正式発表した。周囲では既定路線と見られていたが、これで“新チームの最後のピース”がはめ込まれた形だ。

発表は、周がフェラーリのリザーブ職を離れると公表されてから数日後だった。スクーデリアでの待機役は短期間で幕を閉じ、F1の新規参入チームで新たな役割を担う道が開けた。

周は、キャデラックのチーム代表グレーム・ロードンと再び組むことになる。ロードンは周のマネジメントにも関わっており、巨大プロジェクトに確かな既視感を持ち込む存在だ。

「僕は、キャデラックF1チームのF1デビューに先立ち、リザーブドライバーとして加入できて本当にうれしい」
「これは、このスポーツがこれまでに見てきた中でも最大級で、最もエキサイティングな新プロジェクトの一つだ。僕はグレームともバルテリとも、いろいろな立場で長年一緒に仕事をしてきた。だからこのチームに加わるのは、家族の元に戻るような感覚だ」
「僕には最近の走行経験もあり、サーキット外でクルマ開発に関わった経験もある。キャデラックF1チームに大きな価値をもたらせると分かっている。できる限りの形で彼らを支えたい」

周はキャデラックのサポート陣の一角に加わる。テストドライバーのコルトン・ハータ、そしてシミュレータードライバーのシモン・パジェノー、ピエトロ・フィッティパルディ、チャーリー・イーストウッドらと並ぶ。

ハータは将来の正ドライバー候補と見られている一方、現時点ではスーパーライセンスの問題がつきまとう。そのため、ペレスまたはボッタスが不測の事態で出走できない局面では、周が“即投入可能な選択肢”として現実味を帯びる。

ロードンは、今回の起用が「都合のいい穴埋め」ではないと強調した。レースドライバー選考と同等の厳しさで、リザーブも選び抜いたという。

「リザーブドライバー選考は、レースドライバーの選考と同じくらい徹底して進めてきた」
「最近のF1ドライビング経験があり、チームの一員として懸命に働く覚悟があり、シーズンを通じてマシンを開発していく難しさを理解している候補者が必要だった」
「周冠宇はその条件に完璧に合致している。2026年に我々がレースに挑むうえで大きな戦力になる。我々のチームに不可欠な一員として加わってくれることを楽しみにしている」

キャデラックは、開幕戦(メルボルン、3月6〜8日)に向けて、バルセロナとバーレーンで計3回のプレシーズンテストを予定している。周にとっては、その過程でチームの内部に深く入り込み、初年度の土台を固める時間になる。