エステバン・オコンは、たとえ今すぐでなくても近い将来に最前線で戦えると信じられないなら、F1で走り続けるつもりはないと語った。
F1で8シーズン戦ってきたオコンだが、勝利や表彰台を常に争う先頭集団で戦う機会には恵まれてこなかった。ワールドチャンピオン争いに加わるチャンスは、なおさら遠かった。フォース・インディア/レーシング・ポイント、そしてアルピーヌに在籍しながらも、主戦場はミッドフィールドだった。アルピーヌもまた、最前線で戦う姿を継続的に見せることはできなかった。
それでもオコンは、フォース・インディア/レーシング・ポイントとアルピーヌで表彰台を手にしている。だが今季、新天地として選んだのはハース。現状ではここもまた、ミッドフィールドの一角にいるチームだ。メルセデス育成出身という肩書きがあっても、同世代のジョージ・ラッセルに先を行かれ、いまはアンドレア・キミ・アントネッリがその序列のさらに前へ進んだ。
だからこそ、当面の現実的な活路は、トヨタとのパートナーシップを追い風にハースを“次の段階”へ押し上げることだと見られている。オコン自身も、先頭で戦うだけの力は自分にあると信じており、それはこれまでも示してきたと強調する。
若手の台頭で時間が過ぎていくのではないか、と問われたオコンは、迷いなく言い切った。
「うん、そうでなければ僕はここにいない。キャリアのこの段階で、そもそも参加すらしないよ。僕が目指しているのは、将来的にそこにいることだから」
さらに彼は、“正しい場所に、正しいタイミングでいること”がキャリアを決める場合があると語り、具体例として2023年を挙げた。序盤の数戦、特にカナダやジェッダでの戦いを振り返りながら、ランド・ノリスと終盤まで続いた接近戦を思い出す。
「多くのドライバーに起きていることだけど、彼らは正しい場所に正しいタイミングで辿り着く。2023年を見てみると、カナダもそうだし、シーズン序盤のいろんな場面、2023年のジェッダもそうだ。僕はランドと3戦連続で戦っていた。P6、P7を巡って、最終ラップまでバトルしていたんだ」
そして彼はいま、そのノリスが優勝できるマシンを手にし、タイトルを争う位置にいる現実を引き合いに出す。だからこそ、答えはシンプルだという。
「そして彼はいま、レースに勝てるマシンと、タイトルを争うチャンスを手にしている。僕は、絶対に諦めない。それが正直な答えだ。僕は将来そのために戦う目的でここにいる。そうでなければ、なぜ僕がこんなにハードにトレーニングして、これだけ努力して、P10のために戦うためにここにいるんだ? 僕たちがいまやっているのは、そういうことだ。でも、これは本当に“夢”が目指しているものじゃない」
