クリスチャン・ホーナーの関与を巡る憶測が年末のパドックを騒がせている。レッドブルでの20年体制が今夏に終わって以降、グランプリには姿を見せておらず、レッドブルの違約金で巨額の資産を手にしたホーナーの新天地はアルピーヌになると取り沙汰されている。そしてアストンマーティンも受け皿になるのではとの噂が流れた。
だがオーナーのローレンス・ストロールは、ホーナー招へいの可能性に線を引いた。チームはエイドリアン・ニューウェイを新たなチーム代表に据えるなど、体制の再編を進めている。
この判断を、フェルナンド・アロンソが擁護した。ホーナーの加入余地を問われると、アロンソは「今の僕の問題ではない」と前置きしつつ、「ニューウェイが役割を担い、カウエルも責任が変わった。ストロールは決断力があり、最大限のコミットをする。マネジメントにこれ以上の人材は必要ないと思う」と語った。
アロンソの論点は単純だ。強い“看板”を追加しても、指揮系統が濁れば現場は鈍る。2026年へ向けてチームが求めるのは権力の重ね塗りではなく、同じ方向へ収束する一枚岩だという。自身が追う3度目のタイトルも、その「整列」と「速いマシン」が前提になる。
さらにアロンソは、ニューウェイ昇格が人を呼ぶと強調した。「ニューウェイと働き、学びたい人は多い。代表になれば、加入を夢見る人はもっと増える」とし、補強よりも組織の焦点を揃えることが重要だと示唆した。ただし「代表職はメディアやスポンサー対応も増える。重要な仕事に集中できる形であってほしい」とも釘を刺している。
