アストンマーティンの2025年は、2024年の「5位94点」から「7位89点」へ後退した。順位を落とした一方で得点差は僅少で、中団の混戦に飲み込まれた。アロンソ+ストロールのコンビは継続したが、アロンソが2024年70点→2025年56点、ストロールが24点→33点。合算は大差ないのに順位が下がった事実が、競争密度の上昇を示す。2025年は勝利も表彰台もなく、得点の柱はアロンソのトップ10入賞10回だった。

体制面では2025年1月にアンディ・カウエルがチーム代表に就き再編を実施。3月にはニューウェイがマネージング・テクニカル・パートナーとして加入し、2025年からはカルディレのCTO就任も発表された。設備投資の目玉である新風洞は3月に稼働し、2025年車と2026年車の空力開発を同じ屋根の下で回せる状態に入った。資本面では、親会社アストンマーティン・ラゴンダがF1チーム持分の売却方針を示し、ストロール側コンソーシアムが追加出資で持株を約33%へ高める計画も公表された(チーム名は長期商業契約で維持)。

戦績のハイライトは分散し、マシンのセッティングが決まるサーキットで相対パフォーマンスが急に伸びる。ストロールは開幕オーストラリア6位、イギリス7位が頂点で、アロンソはハンガリー5位、カナダ/オーストリア/シンガポール/カタールで7位、最終戦アブダビ6位などで拾い続け、89点のうち56点を稼いだ。

2026年はホンダがワークスPUサプライヤーとして参戦する。運営面でも、ニューウェイが2026年からチーム代表に就き、カウエルはホンダや燃料・潤滑パートナーとの統合を担う役割へ移る方針が公式に示された。44歳になったアロンソとの契約は2026年までとされている。