オリバー・ベアマンが、2025年のF1シーズンを通じて背中の痛みに悩まされていたと明かした。原因は、現行世代のマシンが抱えてきた激しいバウンシングだった。

この世代の大きな病巣のひとつが、いわゆるポーパシングだ。2022年に深刻化した問題は各チームの対策である程度は抑え込まれた。しかし、跳ね続ける挙動は完全には消えなかった。多くのドライバーの背中を痛めつけ、レース後に身体のケアへ追われる現実が続いていた。

そうした苦しみは、表沙汰にならないことも多かった。回復してからようやく語られる程度で、痛みはパドックの裏側に押し込められがちだった。だが、シーズンが終わった今、F1ルーキーとしてハースで初のフルシーズンを戦ったベアマンが、その内情を口にした。

2024年に数戦だけ出走した時は、背中への負担を感じなかったという。だが、24戦に加えてスプリント6回という過密日程は、若手の身体に確実に爪痕を残した。夜に楽な姿勢で眠れず、レース後の最初の数日間は特に厳しかったという。

本来、ドライバーは強い横Gがかかるコーナーを抜けた後、直線で呼吸と集中力を取り戻す。だが、バウンシングがそれを許さなかった。直線でも身体が上下に叩かれ、休む瞬間が消える。集中にも影響が出るほどで、ベアマンは2026年のマシンで状況が改善することを願っている。

「そうだね、背中を痛めた時ってどんな感じかって言うと、ただ硬くなるんだ。」
「つまり、快適な姿勢でいられない。特に寝る時がそうだ。レースの翌日はきつい。時にはレースの2日後まできついこともある。」
「厳しいコースだと、メキシコがいい例だけど、縁石に乗らないといけない。それがとにかく痛いんだ。」
「だから最後の15周は、本当に指折り数えてしまう。本当に早く終わってほしくなる。かなり痛いからね。」
「普通なら、負荷がかかるのはコーナーで、そこがしんどい部分だ。たいてい直線で息を整えて、集中力も戻せる。」
「でも直線でも上下に跳ねさせられる。レース中に休めるところがまったくないんだ。」
「そこが一番きつい。そこが本当に最悪なんだ。(2026年には)なくなってほしい。」