F1のステファノ・ドメニカリCEOは、ブラッド・ピット主演で大ヒットした映画『F1』の続編構想について「急ぐべきではない」と釘を刺しすコメントを発した。米国での反響がなお広がる中、まずは一本目を呼吸させる時間が要る、という立場だ。

2025年は映画の成功に加え、米国放映権をAppleが担うことも確定し、F1の北米拡大を象徴する年になった。興行収入は世界で6億ドル超とされ、続編の噂も出ているが、ドメニカリは勢い任せを戒める。

「まあ、決して『ない』とは言わない。僕たちは計画を練っている。ただ、時期は……早すぎない。消化する時間が必要だ」
「1作目の効果はもっと長く続く。次は“信頼できて、本物で、新しい”ものでなければならない」

一方で同氏は、最終戦アブダビまで決着がもつれた2025年の戦いそのものを、シリーズ価値の源泉として強調した。

「素晴らしかった。本当に素晴らしいシーズンだった。最終戦を3人が争う形で締めくくれた。彼らが互いに競い合うのを見るのは驚くべきことだ。成長があった。新しいファンが入ってきた。多くの商業パートナーが、僕たちの提案価値を理解して大きな関心を示した」

2026年にはキャデラックが新規参戦予定で、米国市場への“ゲーム”はさらに大きくなる。だからこそ、映画の次手は拡大の燃料であると同時に、誤れば信用を薄める刃にもなり得る。

若い王者ランド・ノリスの存在にも触れた。

「とても前向きで、若く、エネルギッシュだ。多くの人のロールモデルだ。自分が唯一無二の才能だと忘れてはならない」