ハースの2025年は「得点は伸びたが順位は落ちた」シーズンだった。コンストラクターズは79点で8位。勝利も表彰台もないが、トップ10入りは18回、スプリントでも6点を積み、DNFは4回に抑えた。予選では波も大きかった。2024年の58点・7位から点は増えた一方、ミッドフィールドの密度が上がり、数字の伸びほど序列は上がらない現実を突きつけられた。2024年はヒュルケンベルグ/マグヌッセンで“堅実に拾う”復調路線だったが、2025年はオコン+ルーキーのベアマンへ刷新。得点はベアマン41、オコン38と僅差で、後半はベアマンが上昇傾向を見せ、オコンが要所で支える結果になった。

ハイライトは中国のダブル入賞(オコン5位ベアマン8位)での14点、モナコのオコン7位6点、オランダのベアマン5位9点、そしてメキシコでのベアマン4位とオコン9位という大漁だった。4位は2018年以来のチーム最高位タイに並び、アップデートと戦略が噛み合った。終盤もブラジル8点、ラスベガス3点、最終戦アブダビ6点と積み上げたが、カタールのように週末が崩れると挽回が利かず、7位争いから一歩引いた。

体制面では、小松代表の下でトヨタとの関係が実務に入り、TPC走行の開始、英国拠点の専用シミュレーター導入、平川亮のリザーブ起用など、人材パイプラインと設備投資が進んだ。2026年はトヨタがタイトルスポンサーとなり、チーム名はTGR Haas F1 Teamに変更される。タイトル権はマネーグラムに代わる枠で、資本環境はスポンサー収入面で厚みを増す。パワーユニットとギアボックス等の供給は引き続きフェラーリで、1月23日に新リバリー公開、1月26日からバルセロナでプライベートテストが予定されている。