
昨年2024年のアルピーヌはコンストラクターズ6位。オコンとガスリーで確実に点を積み、混乱の中でも中団の席を死守し、ブラジルでは2人が表彰台に登った。ところが2025年は22点で最下位へ転落。早期に2026年に向けた開発に注力したことで、相対的に力を失っていったシーズンだった。
ライバルがアップデートで上積みする間、アルピーヌは速さの核を作れず、予選でQ2前後、決勝はトラフィック後段の中で耐える週末が続いた。戦績の偏りも露骨で、ポイントはすべてガスリーが稼ぎ、もう一台は無得点。ルーキーのミック・ドゥーハンが開幕6戦でシートを失い、コラピント投入に踏み切ったが、決勝ペースの底上げには繋がらなかった。コラピントは次第に予選一発の力を備えたが、入賞圏へ届く武器が不足した。体制面でも落ち着きは乏しい。ルノーは2023年に投資家連合へ株式の24%を売却した一方で、経営トップは「チームは売らない」と火消しを続けた。現場では2024年夏に就任したオリバー・オークス代表が2025年序盤で辞任し、ルノーCEO直轄の助言役として復帰していたフラビオ・ブリアトーレが実務を引き継ぐなど、指揮系統が揺れた。
ハイライトはバーレーン7位、雨の波乱があったイギリスで6位、ガスリーが22点を稼いだがコンストラクターズ選手権では最下位に沈んだ。中国GPの重量不足による失格に象徴されるミス、リタイアの多さ、開発停止で伸び代を失った現実が、一年を食い潰した。チームは早期に2026年に向けた開発に注力しており、また長らくF1を席巻してきた「ルノーエンジン」を捨て、メルセデスPUにスイッチした効果に期待している。
