ローレン・メキースは、2025年F1での巻き返しが技術チームにとって大きな追い風になり、2026年へ向けたチームと開発ツールへの信頼を築いたと語った。

レッドブルは2025年シーズン序盤、狙いどおりに戦えなかった。そのツケは大きく、マックス・フェルスタッペンのドライバーズタイトル防衛の機会を奪う結果になった。

後半戦に入ると、レッドブルはセットアップ面で噛み合い始めた。持ち込んだ小規模なアップデートも機能し、マクラーレンに真っ向から挑むだけの位置を固めた。称賛の矛先はメキースにも向かったが、メキースは功績をミルトンキーンズの現場へと渡した。

メキースは、この逆転劇がやり方への確信を強めたと見ている。

「シーズンを振り返ると、この巻き返しは本当に驚異的だったと思う。ファクトリーにいる仲間たちは、自分たちが成し遂げたことを誇るべきだ」
「ここ数年、いや数十年でも、こんなことはそう何度も起きていないと思う」

その上で、冬の開発へ向かう精神的な土台が整ったと強調した。

「我々が見ているのはそこだ。冬に入るにあたって、ツールや手法、アプローチに対して重要なレベルの自信を持てるようになった」
「その一部は来年のレギュレーションにも持ち越せるし、一部は重要度が下がるだろう」
「そして、今になって“どこでこの2点を失ったか”という状況のリスト作りに入るべきだとは思わない」

2点差の敗北を、外に向けた言い訳に変える気はないという姿勢も明確だった。

「いや、我々は内部でやるだろう。自分たちのミスから学べる形でやる」
「でも、それは選手権が終わるのを待つ必要はない。我々はいつだってやっている」
「2点なんて、どこにだって転がっている」
「大事なのは、僕たちが集団として、こういう形で状況をひっくり返したという事実だ」

そして最後に、あらためてミルトンキーンズのスタッフに最大限の賛辞を送った。

「そして改めて、今年のプロジェクトを信じ抜き、結果的にそれが正しかったと証明したミルトンキーンズの人たちに、すべての功績がある」

メキースは技術部門にも良い言葉を添えた。今季はエイドリアン・ニューウェイを失った年でもあった。現在はピエール・ワシェが指揮を執り、新たな体制で戦っている。

その陣容はまだ“タイトル請負人”としての実績を積み上げ切ったわけではない。だが勝利の実績は確かに増え、名前を刻み始めている。だからこそ、終盤の競争力は技術組織にとって大きな意味を持つとメキースは言う。

「もちろん、あのシーズンの終盤に見せたマシンパフォーマンスのレベルは、技術部門にとって巨大な追い風になる」
「そして、それは人々に対しての自信にもつながる」
「まず、我々は“人”についてはすでに自信がある。最高の才能が揃っていると感じているからだ」
「でも、手法やツール、使っているKPIに対しての自信も与えてくれる」
「そうだね、我々が最も重要だと思うのはそこだ」