2025年F1最終戦アブダビGP前に、ドライバーたちが恒例のディナーに集った。シーズンの締めくくりとして定着したこの会は、豪華な請求額になるのが常で、「誰が払うのか」が毎年の小さな話題になる。今季は順番としてマックス・フェルスタッペンが名乗り出るはずだったが、会計を済ませたのはピエール・ガスリーだった。フェルスタッペンはポッドキャストTalking Bullで舞台裏を説明した。
「じゃあ話すよ。去年はバルテリ(ボッタス)がすごく親切で、支払いをしてくれた。
ドライバーたちが『今年はマックスの番だ』って冗談を言ってきて、僕は『うん、もちろん』って答えた。でも僕は個室の入口の反対側に座っていた。夜の大半はみんなで笑っていて、突然みんな帰りたがる。それで僕らは、ピエールがもうディナー代を払っていたことに気づいたんだ」
「会計のタイミングでトイレに逃げたのか」と茶化されると、本人は笑って否定した。
「違うよ。僕は反対側でジントニックを飲んでいただけだ。次は入る前に『最後に僕が払うよ』って言っておけば、やっと本当に払えると思う」
「こういう時は基本的に僕はすごく気前がいいよ。ただ、まだ払えたことがないだけだ。でも来年もまた食事をするだろうし、いずれその時が来るはずだ」
「2015年か2016年に、一度だけクレジットカードを全部テーブルの真ん中に投げて、店員が1枚取るっていうのがあったのを覚えている。あれは見栄えが少し悪いから、1人がコミットした方がいい。それにルーキーに払わせるのは当然なしだ。そこはかなり明白だと思う。経験のあるドライバーから始まるべきだ」
“おごり番”の順番は持ち越しになった。来年、フェルスタッペンがようやく伝統の支払いを果たすのか。年末の小さな儀式は、まだ続く。
