ガブリエル・ボルトレートは、F1参戦初年度となった2025年シーズンを振り返り、最大のハイライトとしてハンガリーGPを挙げた。序盤は苦しい滑り出しだったが、サウバーのルーキーはシーズン後半にかけて確実に調子を上げ、いくつもの“光る週末”を積み重ねた。
とりわけブダペストでは、予選Q3進出からレース序盤の勝負所まで噛み合い、タイヤマネジメントも含めて完成度の高い一戦を作り上げたという。
「主なハイライト? ブダペストを挙げないわけにはいかない。今季ここまでで、僕のベストレースだったと思う」
「予選はQ3でいい仕事ができたし、1周目にオーバーテイクも決めた。その後はタイヤのマネジメントもすごく良くて、P6でフィニッシュできた」
「良かったのは、純粋なペースがあって、本当に楽しかったことだ」
ボルトレートは、ハンガリーGP以外にも印象的なレースがいくつもあったと振り返る。初ポイントを獲得したオーストリアGPを含め、モンツァやスパでも手応えを得たと語った。
「他にも、オーストリアは初ポイントだったし、モンツァ、スパもあった。すごく良いレースはいくつもあったと思う」
一方で、彼が初年度を通じて最も強く実感した収穫は、レースそのものより“技術面の学び”だった。エンジニアと膨大な情報を共有しながら理解を深めていく過程が、自分を大きく変えたという。
「そうだな、レース面というより、間違いなく技術面だ。1年を通して受け取った情報量がとにかく多かったし、エンジニアから学んで、勉強して、一緒に全部やっていく。その過程がすごく良かった」
「去年のポストシーズンの時に彼女に話していた気がするけど、去年の僕は基本的に何も分かっていなかった」
さらに彼は、プレシーズンテストの記憶をエンジニアに問われた際のやり取りを明かし、当時の自分が“何を求めればいいかすら分からなかった”と率直に認めた。シーズン終盤の今だからこそ、その変化がはっきり見えるという。
「クルマに何を求めたいのか、クルマに何が必要なのか、僕は分かっていなかった」
「エンジニアと話していて、彼が『去年のテストのこと、何か覚えてる? クルマのフィーリングはどうだった?』って聞いてきたんだ」
「僕は『今それ聞く? ずいぶん前のことだよ』って答えた」
「それに、僕は理解がなかったから、間違ったフィードバックはしたくなかった。たとえば、僕がクルマに求めるものが、その時に走らせていたセットアップと違っていたりするからね。だから彼は聞いてきたんだと思う」
「こういうのが、学びの一つだ」
